大和路秀麗八十八面観音巡礼

奈良・仏閣

十一面観音菩薩をお祀りする奈良の8か寺で、「大和路秀麗八十八面観音巡礼」が立ち上げられました。

十一面観音とは、

観世音菩薩の別名として、あらゆる方角(十方)に顔を向けたもの、として救済者として持つべき能力を具体化したもの岩波仏教辞典

だそうです。
頭にある正面の三面が「慈悲面」、左三面が「瞋怒(しんぬ)面」、右三面が狗牙上出(くげじょうしゅつ)面」、後方が「暴悪大笑(ぼうあくだいしょう)面」、一番上が「仏(ぶつ)面」です。
また、右手は施無畏手、左手は蓮華を差した水瓶を持った二臂像が圧倒的多数を占めるそうです。

8ヶ寺の十一面観音のお顔の数88と、男性・女性・子供の厄年の年齢(42歳 33歳 13歳)を合わせた数が同数なので、巡礼をすると観音さまのお慈悲によって多くの災厄から免れるとされます。

参加されている8ヶ寺と、安置されている観音さまの紹介です。

法華寺
観音さま:国宝。
天竺(インド)の仏師の問答師が、光明皇后のうつし身として造立したと伝わる、少し肉感的な観音さまです。
光背が蓮の葉と花でできていて、右手で衣を持ち右足を踏み出そうとしているかのようなお姿が特徴的です。
公開時期:春、光明皇后の命日(6月7日)の前後、正倉院展の開催同時期
海龍王寺
観音さま:重要文化財。
光明皇后が刻んだ十一面観音をもとにして、鎌倉時代に慶派の仏師が造立しました。
華やかで精緻な荘厳が、すべて色彩やかに残されている「美仏」です。
公開時期:春、正倉院展の開催同時期
西大寺
観音さま:重要文化財。
平安後期の円派系仏師、円信の遺作とみられています。
鎌倉時代に、京都の法勝寺十一面堂院から客仏として迎えられました。
右手に錫杖を持つ丈六の長谷寺式十一面観音で、のんびりとしたお顔をされています。
公開時期:随時
大安寺
観音さま:重要文化財。
天平仏ですが肉付きがよく、衣の身体の線に沿って流れる具合が優美です。
癌封じのご利益があります。
公開時期:10月1日から11月30日
法輪寺
観音さま:重要文化財。
平安時代前期の作と考えられています。
大きな眼、眉、唇が印象的で、力強い印象を受ける観音さまです。
後に回って、暴悪大笑面を拝見することができます。
公開時期:随時
聖林寺
観音さま:国宝。
もとは大神神社の神宮寺の大御輪寺の本尊でしたが、明治期に廃仏毀釈の難を逃れて聖林寺に迎えられました。
明治に入り、アメリカの哲学者フェノロサによって公開されることになりました。
お顔立ちやお姿は力強いのですが、指先には血が通っているかのような細やかさのある、不思議な観音さまです。
公開時期:随時
長谷寺
観音さま:重要文化財。
長谷寺の本尊で、丈六で右手に錫杖を持つ長谷寺式十一面観音です。
室町時代に大仏師運宗によって造立され、日本で最大の木造の仏さまです。
特別拝観のときには足元まで近付くことができます。
公開時期:春、秋。
室生寺
観音さま:国宝。
平安時代前期の作。
うっすらと彩色が残り、肉付きのいいお体と整ったお顔がとても美しい観音さまです。
優美でいて、威厳があります。
公開時期:春、夏、秋、冬。

専用の和綴じの朱印帳があります。
巡拝は順不同、最初にお参りしたお寺で朱印帳をもらってください(志納料500円)。

内容全面改訂しました 2016年4月5日

Posted by 管理人めぶき