第55回 京の冬の旅 非公開文化財特別公開
京都市観光協会主催の「京都デスティネーションキャンペーン 2020年度 第55回京の冬の旅」、今回のテーマは「京の名宝 美の遺産」です。
2020年は京都市に観光課が設置(1930年)されて90年、文化財保護法が設置(1970年)されて50年の節目の年に当たります。
これを記念して、千年の歴史を持つ京都の国宝・重要文化財が特別公開されます。
今回はインターネットでの事前予約優先制です。
当日に空きがあれば、予約をしていない人も拝観することができます。
(予約フォーム内で拝観希望箇所を選択することができます。)
「第55回 京の冬の旅 非公開文化財特別公開」の実施は初日から延期されてきましたが、日程をずらして開催されることになりました。
この記事の情報は2月27日時点のものです。
- 1. 「第55回 京の冬の旅 非公開文化財特別公開」開催概要
- 2. 特別公開12ヶ所の紹介
- 2.1. 方広寺
「京の大仏さん」を偲ぶ 「国家安康」の鐘のあるお寺 - 2.2. 智積院
桃山文化を伝える 華麗なる障壁画と庭園 - 2.3. 東福寺三門
国宝の三門 楼上に広がる浄土の世界 - 2.4. 東福寺塔頭 龍吟庵
重森未玲の庭園と日本最古の方丈建築 - 2.5. 大徳寺塔頭 聚光院
絢爛! 茶聖と天才絵師 美の競演 - 2.6. 大徳寺塔頭 瑞峯院
十字架の庭と利休の待庵写しの茶室 - 2.7. 妙蓮寺
西陣の名刹に残る豪華な長谷川派の障壁画 - 2.8. 龍安寺 蔵六庵 「芭蕉図」特別公開
123年ぶりに帰還した雄大な芭蕉の図 - 2.9. 仁和寺 金堂・五重塔特別公開
宮殿建築と塔内部に広がる極彩色の世界 - 2.10. 妙心寺塔頭 大雄院特別公開
江戸時代の漆芸家と現代の宮絵師の襖絵 - 2.11. 東寺五重塔
京都の象徴(シンボル) 日本一高い五重塔 - 2.12. 東寺 小子房特別公開
巨匠の襖絵を残す東寺の迎賓館
- 2.1. 方広寺
- 3. 「ちょっと一服」 今年もあります。
「第55回 京の冬の旅 非公開文化財特別公開」開催概要
期間: 令和3(2021)年 1月9日(土)~3月18日(木)
3月1日(月)~4月11日(日)
時間: 10時~16時30分 (16時受付終了)
料金: 1カ所 700円 ※拝観箇所によって変わります。
公開寺院: 方広寺 / 智積院 / 東福寺 三門 / 東福寺 龍吟庵 / 大徳寺 聚光院 / 大徳寺 瑞峯院 / 妙蓮寺 / 龍安寺 蔵六庵 / 仁和寺 金堂・五重塔 / 妙心寺 大雄院 / 東寺 五重塔 / 東寺 小子房
公開の期間、時間、寺宝は寺院によって異なりますので、「京都観光オフィシャルサイト 京都観光Navi」または京都市観光協会Facebook「京都観光上ル下ル」で最新の情報を確認してください。
靴を脱いで建物に入ると足元が冷えるので、ぶ厚めの靴下を用意されることをおすすめします。
また、今年はくつ袋を持参してください。
特別公開12ヶ所の紹介
お参りするさいは以下の点にご留意ください。
- マスクを着用すること
- アルコール消毒液などで手指を消毒する
- ほかの参拝者や社寺の関係者・職員などと間隔を保つ
- 熱発しているなどの体調不良時はお参りしない
方広寺
「京の大仏さん」を偲ぶ 「国家安康」の鐘のあるお寺
とき: 1月9日(土)~3月18日(木) 3月1日(月)~4月11日(日) 10時~16時30分(16時受付終了)
ただし3月17日(水)は拝観休止
京の冬の旅、初公開です。
「京の大仏さん」は、永禄10年(1567年)に奈良の東大寺の大仏が松永久秀に焼き払われ再建されていないので、豊臣秀吉が天正14年(1586年)から5年をかけ、刀狩りと洛中洛外の整備を兼ねて建立されました。
度重なる災害から再建され、開眼法要直前の慶長19年(1614年)に鐘銘事件が起き、大坂冬の陣のきっかけになります。
「京の大仏さん」は天保14年(1843年)に木造仏として再建されましたが、昭和48年(1973年)に焼失しました。
鐘銘事件の原因になった梵鐘(重文)と鐘楼が残り、大仏は当初の10分の1の大きさで本堂に安置されています。
日本画家の吉川霊華筆の掛け軸「神龍図」も特別公開されます。
※ 予約は先着順で、拝観希望日時の直前まで受付・変更が可能です。
最寄り駅: 最寄り駅: 京阪 京阪本線 七条駅
智積院
桃山文化を伝える 華麗なる障壁画と庭園
とき: 1月9日(土)~2月28日(日) 3月12日(金)~4月11日(日) 9時~16時(受付終了)
ただし3月1日(月)~11日(木)、4月8日(木)は拝観休止
密厳堂・三部権現社・求聞持堂は、京の冬の旅初公開です。
密厳堂・三部権現社・求聞持堂の初公開はなくなりました。
豊臣秀吉が長男の鶴松(棄丸)の菩提を弔うために天正19年(1591年)に建立した、祥雲寺に始まります。
桃山時代の障壁画25面は、長谷川等伯と息子の久蔵ら一門の作です。
盗難と災害が重なり、現存している作品は往時の半分だけです。
庭園は千利休好みで、中国の廬山の景色をかたどって作ったと伝わります。
1月の公開: 境内最古の建物の密厳堂、三部権現社の拝殿の天井の「龍図」、求聞持堂のご本尊などすべて初公開です。
2月の公開: 宸殿で、堂本印象筆「婦女喫茶図」「松桜柳の図」などの障壁画が公開されます。
※ 予約は先着順で、拝観希望日時の直前まで受付・変更が可能です。
最寄り駅: 最寄り駅: 京阪 京阪本線 七条駅
東福寺三門
国宝の三門 楼上に広がる浄土の世界
とき: 1月9日(土)~3月7日(日) 3月1日(月)~4月11日(日) 10時~16時(受付終了)
京の冬の旅、5年ぶりの公開です。
東福寺は、嘉禎2年(1236年)に九条道家が祖父の兼実の菩提を弔うために発願、東大寺と興福寺から一字ずつ寺号としました。
国宝の三門は応永12年(1405年)の建立で、現存最古の禅宗の三門です。
唐様・天竺様・和様を巧みに取り入れられており、楼上の天井画は兆殿司(明兆)・寒殿司により極彩色の空間が広がっています。
※ 予約は先着順で、拝観希望日時の直前まで受付・変更が可能です。
最寄り駅: 京阪 京阪本線 鳥羽街道駅
東福寺塔頭 龍吟庵
重森未玲の庭園と日本最古の方丈建築
とき: 1月9日(土)~3月7日(日) 3月1日(月)~31日(水) 10時~16時(受付終了)
京の冬の旅、6年ぶりの公開です。
東福寺4世で建仁寺の開祖である無関普門の住房で、方丈(国宝)は現存最古の方丈です。
昭和の名作庭家の重森未玲が手がけた「龍の庭」は龍が黒雲に覆われて昇天するさまを表わしています。
※ 予約は先着順で、拝観希望日時の直前まで受付・変更が可能です。
最寄り駅: 京阪 京阪本線 鳥羽街道駅
大徳寺塔頭 聚光院
絢爛! 茶聖と天才絵師 美の競演
とき: 1月9日(土)~3月18日(木) 3月1日(月)~29日(月) 10時~16時(受付終了)
ただし、3月7日(日)~9日(火)、11日(木)、12日(金)、23日(火)~25日(木)、27日(土)、28日(日)は拝観休止
京の冬の旅、7年ぶりの公開です。
永禄9年(1566年)、三好義継が父の長慶(聚光院殿)の菩提を弔うために創建しました。
本堂(方丈)(重文)は檜皮葺の入母屋造、茶室は千利休好みの三畳の「閑隠席」(重文)と四畳の「桝床席」。
38面ある方丈の障壁画(国宝)は、室町時代から桃山時代へ移行する名作。狩野永徳とその父の松栄の筆と考えられています。
※ 予約は先着順で、拝観希望日時の直前まで受付・変更が可能です。
最寄り駅: 地下鉄 烏丸線 北大路駅
大徳寺塔頭 瑞峯院
十字架の庭と利休の待庵写しの茶室
とき: 1月9日(土)~3月18日(木) 3月1日(月)~4月11日(日) 10時~16時(受付終了)
京の冬の旅、19年ぶりの公開です。
天文4年(1535年)、大友宗麟が創建しました。
北庭の「閑眠庭」は7個の石が十字架型に置かれています。
「独坐庭」は重森未玲の作庭で、「平成待庵」と呼ばれる利休好みの「待庵」の写しの茶室も特別公開されます。
※ 予約は先着順で、拝観希望日時の直前まで受付・変更が可能です。
最寄り駅: 地下鉄 烏丸線 北大路駅
妙蓮寺
西陣の名刹に残る豪華な長谷川派の障壁画
とき: 1月9日(土)~3月18日(木) 3月1日(月)~4月11日(日) 10時~16時(受付終了)
ただし3月20日(土・祝)は13時から
京の冬の旅、21年ぶりの公開です。
永仁2年(1294年)、日像が五条西洞院に営んだ一宇から始まります。
天正15年(1587年)に豊臣秀吉により、現在地に移されました。
奥書院および玄関之間に長谷川等伯一派の筆による金地濃彩障壁画があります。
「十六羅漢の庭」には「臥牛石」を中心に、独特の感覚で十六羅漢に見立てた石が点在しています。
※ 予約は先着順で、拝観希望日時の直前まで受付・変更が可能です。
最寄り駅: 地下鉄 烏丸線 鞍馬口駅
龍安寺 蔵六庵 「芭蕉図」特別公開
123年ぶりに帰還した雄大な芭蕉の図
とき: 1月9日(土)~3月18日(木) 3月1日(月)~4月11日(日) 9時~16時(受付終了)
蔵六庵は京の冬の旅6年ぶり、「芭蕉図」は初公開です。
龍安寺は、平安末期に藤原実能が円融天皇御願寺の円融寺を徳大寺に改めた地を、宝徳2年(1450年)に細川勝元が譲り受けて建立されました。
石庭(国史跡・国特別名勝)が有名です。
蔵六庵は龍安寺の茶室です。ここに徳川光圀寄進をいう「吾唯知足」の石造手水鉢があります。
「芭蕉図」は方丈(本堂)(重文)の障壁画で、平成30年(2018年)に123年ぶりに龍安寺に帰還しました。
狩野派もしくは海北派の筆と考えられています。
金地に芭蕉の葉のみが豪快に描かれています。
※ 予約は先着順で、拝観希望日時の直前まで受付・変更が可能です。
最寄り駅: 嵐電 北野線 龍安寺駅
仁和寺 金堂・五重塔特別公開
宮殿建築と塔内部に広がる極彩色の世界
とき: 1月9日(土)~3月18日(木) 3月1日(月)~4月11日(日) 10時~16時(受付終了)
ただし3月1日(月)、4月6日(火)、8日(木)は金堂の拝観休止で、代わりに経蔵が公開されます。
五重塔は京の冬の旅、8年ぶりの公開です。
宇多天皇が父の光孝天皇の遺志を継いで、888年に建立した勅願寺が始まりです。
宇多天皇はここで出家、御室(僧坊)を営みました。
金堂(国宝)は慶長の頃の内裏の紫宸殿で、本瓦葺の入母屋造です。
五重塔(重文)の初層の内部には、胎蔵界の五仏を安置しています。
※ 予約は先着順で、拝観希望日時の直前まで受付・変更が可能です。
最寄り駅: 嵐電 北野線 御室仁和寺駅
妙心寺塔頭 大雄院特別公開
江戸時代の漆芸家と現代の宮絵師の襖絵
とき: 1月9日(土)~3月18日(木) 3月5日(金)~4月11日(日) 10時~16時(受付終了)
ただし3月1日(月)~4日(木)、19日(金)~21日(日)、29日(月)は終日拝観休止、4月11日(日)は13時から
京の冬の旅、4年ぶりの公開です。
慶長8年(1603年)、尾張藩家老の石河光忠が父の光元・祖父の光重の追善のために建立しました。
客殿の襖絵は、江戸時代末期から明治期に活躍した漆芸家で絵師の、柴田是真の随一の襖絵です。
現代の宮絵師、安田如風が是真の下絵をもとに復活させる「襖絵プロジェクト 千種の花の丸襖絵」は、全4期18面が完成しました。
今回は「千種の花の丸」襖絵18面がそろって初公開されます。
※ 予約は先着順で、拝観希望日時の直前まで受付・変更が可能です。
最寄り駅: JR 嵯峨野線 花園駅 / 嵐電 北野線 妙心寺駅
東寺五重塔
京都の象徴(シンボル) 日本一高い五重塔
とき: 1月9日(土)
3月1日(月)~3月18日(木) 8時30分~16時30分(受付終了)
(期間延長はありません。3月20日(土・祝)から「2021 春期特別公開」が始まり、五重塔は4月29日(木・祝)から公開されます。)
京都のランドマークの東寺は、平安遷都に伴って王城鎮護のために建立された官寺です。
弘法大師空海が密教の根本道場として伽藍を整えました。
現在の五重塔(国宝)は、寛永21年(1644年)に徳川家光が再建しました。
和様で現存する五重塔ではもっとも高く、約56mあります。
※ 予約は先着順で、拝観希望日時の直前まで受付・変更が可能です。
最寄り駅: 近鉄 京都線 東寺駅
東寺 小子房特別公開
巨匠の襖絵を残す東寺の迎賓館
とき: 1月16日(土)
3月1日(月)~3月18日(木) 10時~16時(受付終了)
(期間延長はありません。3月20日(土・祝)から「2021 春期特別公開」が始まります。)
小子房は天皇をお迎えする建物でした。
昭和9年(1934年)に再建され、障壁画は堂本印象の筆、庭は7代目小川治兵衛による「澄心苑」です。
蓮花門(国宝)は弘法大師が高野山に隠棲するため東寺を去るさいにくぐりました。
※ 予約は先着順で、拝観希望日時の直前まで受付・変更が可能です。
最寄り駅: 近鉄 京都線 東寺駅
「ちょっと一服」 今年もあります。
「京の冬の旅」非公開文化財特別公開全12ヶ所のうち、3ヶ所を拝観してスタンプを集めると、所定の場所で「ちょっと一服」お茶とお菓子などの特典があります。
今年は3月1日(月)~18日(木)の間のみ実施されます。
スタンプ用紙はJR京都駅ビル2階の「京都総合観光案内所〈京なび〉」、もしくは各公開寺院の受付で入手できます。
拝観料を支払ったときにスタンプを押してもらえます。
3つ集めて、お好きな接待箇所でゆったりしてください。