京都府木津川市2017秋 社寺秘宝・秘仏特別開扉

京都・特別拝観

京都府木津川市で「お茶の里に息づく 美しき仏たち」と題して、今年も通常非公開の社寺の仏像や宝物が公開されます。

開扉日程は社寺によってまちまちです。

ここでは「お茶の里に息づく 美しき仏たち」のパンフレット(pdf)から、参加13社寺について簡単に紹介します。

「お茶の里」とは

2015年、京都府南部12市町村(宇治市、城陽市、八幡市、京田辺市、木津川市、久御山町、井手町、宇治田原町、笠置町、和束町、精華町、南山城村)から成る「日本茶800年の歴史散歩 京都・山城」は、日本遺産に認定されました。

2017年4月から2018年3月まで、「宇治茶のふるさと」の京都府南部で、お茶にまつわるさまざまなイベントが行なわれています。

秘宝・秘仏特別開扉をする社寺

蟹満寺
公開日: 10月28日(土)~11月5日(日)
拝観時間: 8時~16時
本尊釈迦如来坐像(国宝)、十二天屏風
「今昔物語」の「蟹の恩返し」で有名なお寺です。
ご本尊の釈迦如来坐像は奈良時代以前の金銅仏で、創建のときからずっとこの場所に安置されていることが、調査によって明らかになりました。
特別拝観料: 500円
朱印: あり
所在地: 木津川市山城町綺田浜36
涌出宮(和伎神社)
公開日: 10月25日(水)~31日(火)
拝観時間: 10時~15時
踊り絵馬(府暫定登録文化財)、三十六歌仙図
初参加
天平神護二年(766)、伊勢国渡会郡五十鈴川舟ヶ原より、天乃夫岐売神(あめのふきめのかみ)を勧請したのが始まりとされます。
特別拝観料: 無料
朱印: なし
所在地: 木津川市山城町平尾里屋敷69-1
神童寺
公開日: 10月28日(土)~11月5日(日)
拝観時間: 9時~16時30分
蔵王権現像、日光菩薩像(重文)、月光菩薩像(重文)、愛染明王像(重文)、毘沙門天像(重文)、白不動明王像(重文)、阿弥陀如来坐像(重文)、役行者・前鬼・後鬼像、弁財天十五童子像(掛軸)《通常非公開》、二十六坊境内図(掛軸)《通常非公開》
創建は聖徳太子。
ご本尊の蔵王権現はここで修行していた役行者が、2人の神童の助力を得て刻んだといわれます。
特別拝観料: 500円
朱印: あり
所在地: 木津川市山城町神童子不晴谷112
交通: JR棚倉駅から徒歩30分
JR祝園駅からタクシー15分
大智寺
公開日: 11月16日(木)~19日(日)
拝観時間: 10時~16時
本尊文殊菩薩騎獅像(重文)、十一面観音菩薩立像(重文)、厨子入り聖徳太子立像《通常非公開》、扁額(黄檗宗隠元筆)《通常非公開》
鎌倉時代、泉橋の橋柱に文殊菩薩を刻んだ、西大寺の慈真を開基とします。
さきに「第53回京都非公開文化財特別公開」で、11月1日(水)~12日(日)まで公開されます。
特別拝観料: 400円
朱印: あり
所在地: 木津川市木津町木津雲村42-1
安福寺
公開日: 11月2日(木)~4日(土)
拝観時間: 10時~16時
阿弥陀如来坐像(市指定)《通常非公開》、平 重衡像《通常非公開》、涅槃図《通常非公開》
ご本尊の阿弥陀如来は、「南都炎上」の平 重衡が刑に処される前に拝んだ、「引導仏」と伝わります。
特別拝観料: 300円
朱印: あり
所在地: 木津川市木津宮ノ裏274
西念寺
公開日: 11月16日(木)~19日(日)
拝観時間: 10時~16時
薬師如来坐像(府指定)《通常非公開》、日光・月光菩薩像(府登録)《通常非公開》、本尊阿弥陀如来坐像《通常非公開》、十二神将像《通常非公開》
山岳道場を行基が薬師如来を本尊として寺に改めたのが始まりです。
さきに「第53回京都非公開文化財特別公開」で、11月1日(水)~11日(土)まで公開されます。
特別拝観料: 800円
朱印: あり
所在地: 木津川市鹿背山鹿曲田65
海住山寺
公開日: 10月28日(土)~11月12日(日)
拝観時間: 9時~16時
五重塔(国宝)初層《通常非公開》、十一面観音立像(重文)、本坊庭園、文殊堂内部(重文)、法華経曼荼羅図(重文)
五重塔は荒天時には開扉中止の場合あり。
聖武天皇が東大寺の大仏建立の無事を祈願するために、良弁僧正に十一面観音菩薩を本尊として建立させた寺が始まりです。
今年は「第53回京都非公開文化財特別公開」としての公開です。
特別拝観料: 800円
朱印: あり
所在地: 木津川市加茂町例幣海住山20
現光寺
公開日: 10月28日(土)~11月12日(日)
拝観時間: 9時30分~16時
十一面観音坐像(重文)、四天王像《通常非公開》
由緒は定かではなく、江戸時代に現光寺の僧侶が海住山寺の法要に参詣している文書が残っていることから、海住山寺とのつながりが強かったようです。
11月1日(水)から、「第53回京都非公開文化財特別公開」による公開になります。
特別拝観料: 800円
朱印: あり
所在地: 木津川市加茂町北山ノ上9
旧燈明寺
公開日: 11月2日(木)~5日(日)
拝観時間: 10時~16時
千手観音立像《通常非公開》、十一面観音立像《通常非公開》、不空羂索観音立像《通常非公開》、聖観音立像《通常非公開》、馬頭観音立像《通常非公開》
創建は奈良時代とも平安初期ともいわれますが不明。
盛衰を繰り返し、とうとう昭和になって廃寺になりました。
現在は一般財団法人川合京都仏教美術財団が、文化財を維持管理しています。
特別拝観料: 無料
朱印: なし
所在地: 木津川市加茂町兎並寺山
西明寺
公開日: 11月2日(木)~3日(金・祝)
拝観時間: 10時~16時
本尊薬師如来坐像(重文)《通常非公開》
奈良時代の建立ですが、江戸時代の大規模な洪水により、現在地に移転しました。
公開される本尊の薬師如来坐像は、創建当初からのものです。
特別拝観料: 300円
朱印: なし
所在地: 木津川市加茂町大野大野27
高田寺
公開日: 11月3日(金・祝)~5日(日)
拝観時間: 9時~16時
本尊薬師如来坐像(重文)《通常非公開》、阿弥陀如来坐像
創建は奈良時代。
ご本尊の薬師如来は、12世紀の仏像に典型的な、ゆったりとした仏さまです。
特別拝観料: 300円
朱印: あり
所在地: 木津川市加茂町高田奥畑54
岩船寺
公開日: 10月1日(日)~11月30日(木)
拝観時間: 8時30分~16時45分
本尊阿弥陀如来坐像(重文)、普賢菩薩騎象像(重文)、四天王立像(府指定)、両界曼荼羅《通常非公開》、岩船寺縁起(市指定)《通常非公開》、弁財天像《通常非公開》、羅刹天像《通常非公開》など
行基が阿弥陀如来を本尊として建立しました。
四季折々の花に囲まれる山寺で、浄瑠璃寺までの間の山道には磨崖仏や石仏があります。
特別拝観料: 400円
朱印: あり
所在地: 木津川市加茂町岩船上ノ門43
岩船寺
公開日: 10月~11月の土・日・祝日
拝観時間: 8時30分~16時45分
三重塔(重文)初層開扉《通常非公開》
雨天・荒天時は開扉中止の場合あり。
中世後期の代表作とも称されます。
浄瑠璃寺
公開日: 10月1日(日)~11月30日(木)
拝観時間: 9時~16時30分
九体阿弥陀如来坐像(国宝)、四天王立像(持国天・増長天)(国宝)、子安地蔵菩薩像(重文)、不動明王三尊像(重文)、吉祥天立像(重文)《通常非公開》
宝池を中心にして、東側には薬師如来、西側には阿弥陀如来を配して極楽浄土を表わしています。
九体阿弥陀如来坐像はこの公開後、5ヶ年計画で修理に入ります。
特別拝観料: 400円
朱印: あり
所在地: 木津川市加茂町西小札場40
浄瑠璃寺
公開日: 10月8日(日)、10月28日(土)~11月5日(日)、11月8日(水)
拝観時間: 9時~16時30分
三重塔(国宝)初層開扉《通常非公開》、本尊薬師如来坐像(重文)
雨天・荒天時は開扉中止の場合あり。

京都南山城古寺の会

2014年、南山城地域にある古寺11ヶ寺によって結成されました。

いずこも知る人ぞ知る、美仏さまぞろいです。

「京都南山城古寺の会オリジナルご朱印帳」があります。

各お寺か、JR加茂駅臨時観光案内所(10月28日~11月5日)へどうぞ。

浄瑠璃寺
拝観時間: 9時~17時
(12月~2月は10時~16時)
拝観料: 300円
所在地: 木津川市加茂町西小札場40
岩船寺
拝観時間: 8時30分~17時
(12月~2月は9時~16時)
拝観料: 400円
所在地: 木津川市加茂町岩船上ノ門43
海住山寺
拝観時間: 9時~16時30分
拝観料: 本堂へのお参りは400円
ハイキング・写真撮影などは入山料として100円
所在地: 木津川市加茂町例幣海住山20
現光寺
電話で予約が必要
10名から拝観が可能になります。
予約は海住山寺(0774-76-2256)
拝観料: 500円
所在地: 木津川市加茂町北山ノ上9
神童寺
拝観時間: 9時~17時
(冬期は16時まで)
拝観料: 500円
所在地: 木津川市山城町神童子不晴谷
蟹満寺
拝観時間: 8時~16時
拝観料: 500円
所在地: 木津川市山城町綺田浜36
笠置寺
拝観時間: 9時~16時
ご本尊は大きな岩に刻まれた、弥勒磨崖仏。
笠置寺のある笠置山は山岳修業の地で、東大寺開山で初代別当の良弁が龍穴で雨乞いを行ない、高弟の実忠が正月堂でお水取りの起源となる観音悔過を行ないました。
東大寺に二月堂、三月堂(法華堂)、四月堂(三昧堂)があって一月堂がないのは、笠置寺にあるからです。
境内は山の頂上にあり、お堂が点在しています。
拝観料: 300円
所在地: 相楽郡笠置町笠置笠置山29
禅定寺
拝観時間: 9時~16時
東大寺の平崇上人が開山、宇治の平等院の末寺になりましたが、中興の月舟禅師によって曹洞宗に改められました。
開山の2年後、藤原行成が禅定寺付近で体調が悪くなり、五大明王堂を建てると誓願すると治ったそうです。
しかし本当に建立したかどうかはわかっていません。
藤原道長・頼通とのつながりから、平安時代中期の仏像を多く安置しています。
拝観料: 500円
所在地: 綴喜郡宇治田原町大字禅定寺小字庄地100
酬恩庵一休寺
拝観時間: 9時~17時
臨済宗の大應国師の創建、一休禅師が再興してここで暮らし、示寂しました。
境内にある一休禅師の墓の「宗純王廟」は、宮内庁が管理しています。
現在の庫裏、東司、唐門、方丈は加賀藩主の前田利常の寄進によります。
枯山水の北庭は、石川丈山、松花堂昭乗、佐川田喜六の合作とされます。
今年は「第53回京都非公開文化財特別公開」として、浴室(重文)、虎丘庵(府指定)、虎丘庭園(名勝)が公開されます。
11月1日(水)~12日(日)、9時~16時まで
拝観料: 500円
所在地: 京田辺市薪里ノ内102
寿宝寺
拝観時間: 9時~17時(前日までに要予約)
天武天皇の頃に創建、木津川の氾濫により現在地に移転しました。
ご本尊の十一面千手千眼観音立像(重文)は平安時代中期の作。
大阪の葛井寺の千手観音菩薩坐像(国宝)と、奈良唐招提寺の千手観音立像(国宝)とともに、実際に千本の手を持つといわれます。
拝観料: 300円
所在地: 京田辺市三山木塔ノ島20
大御堂観音寺
拝観時間: 9時~17時
奈良の岡寺を建立した義淵の創建です。
大伽藍のほとんどを焼亡し、大御堂だけが再建されました。
十一面観音立像(国宝)は、義淵の弟子の良弁が安置した、奈良時代中期を代表する観音さまです。
奈良の聖林寺の十一面観音(国宝)と似ているといわれるのは、同じ東大寺の造仏所が造ったからではないかと考えられています。
拝観料: 400円
朱印: 
所在地: 京田辺市普賢寺下大門13

ボンネットバスツアー、あります

今年も、奈良交通のボンネットバスに乗って、特別公開のお寺と「お茶の京都」ゆかりの場所を合わせて巡るツアーがあります。

JR奈良駅と近鉄高の原駅発着の合計6コース、1日1コースです。

すでに予約を開始しています。

申し込み・問い合わせは奈良交通予約センター(0742-22-5110)へ。

2017年9月16日京都・特別拝観

Posted by 管理人めぶき