素麺、2025年は「高値」
素麺の相場 3年ぶりに「高値」
2025年2月5日に、奈良特産の三輪そうめんの取引の卸値を神前占いで決める、大神神社の伝統神事「卜定祭」が行なわれました。
卜定祭はまず、業界の発展の祈願から始まります。
次に「高値」「中値」「安値」と書かれた紙玉約20個を台にのせ、神職が1枚ずつ麻の束を当て、引き寄せられた紙をご神意として選びます。
その結果、今年は3年ぶりに「高値」が選ばれ、標準銘柄の「誉」が1箱(18キロ)1万2000円と決まりました。
これを卸値の参考価格とされるそうです。
神事終了後、拝殿前で三輪素麺掛唄保存会により素麺作りの所作を表わす踊りが奉納されました。
なぜ、占いで決めるのか?
大神神社の神主だった大神朝臣狭井久佐(おおみわのあそんさいくさ)の次男の穀主(たねぬし)が、奈良時代に大和を襲った大飢饉と疫病に苦しむ人々を救いたいと三輪明神に祈願し、神さまのお告げのままに小麦を植えて素麺を作ったのが始まりとされます。
お伊勢参りの途中に三輪に立ち寄った人たちが素麺の製法を持ち帰り、地方によりさまざまな素麺が生まれました。
この伝承から大神神社は素麺の守護神と信仰され、ご神意によって素麺の価格が決められています。