第58回 京の冬の旅 非公開文化財特別公開
京都市観光協会主催の、京都デスティネーションキャンペーン「第58回 京の冬の旅 ~ 秘められた京の美をたずねて ~」、今回のテーマは「紫式部と源氏物語」と「京の龍めぐり」です。
令和6(2024)年は甲辰年です。
仏教にて龍は、仏法(お釈迦さまが説いた教え)を守護する存在とされています。
辰年の初めに、縁起のいい龍尽くしのお参りはいかがですか?
また今年のNHKの大河ドラマは、紫式部を主人公とした『光る君へ』です。
これにちなみ、紫式部と源氏物語のゆかりの寺院から絵画や庭園などが公開されます。
「第58回 京の冬の旅 非公開文化財特別公開」開催概要
期間: 令和6(2024)年1月6日(土)~3月18日(月)
時間: 10時~16時30分 (16時受付終了)
料金: 1カ所 800円 (一部をのぞく)
公開寺院: 泉涌寺 舎利殿 / 泉涌寺 雲龍院 / 廬山寺 / 相国寺 法堂・方丈 / 相国寺 光源院 / 相国寺 慈雲院 / 大徳寺 法堂・仏殿 / 大徳寺 龍源院 / 仁和寺 金堂(裏堂) / 渉成園(枳殻邸) 園林堂 / 西本願寺 飛雲閣(外観) / 東寺 五重塔 / 醍醐寺 霊宝館 / 東本願寺 諸殿 / 西本願寺 書院・飛雲閣(外観)
公開の期間、時間、寺宝は寺院によって異なります。
また、法要や悪天候などで拝観できない日や時間帯が生じることがありますので、「京都観光オフィシャルサイト 京都観光Navi」または公式Facebookで最新の情報を確認してください。
なお、靴を脱いで建物に入ると足元(とくに足の裏)が冷えるので、ぶ厚めの靴下を用意されることをおすすめします。
プラスチックごみ削減のため、靴袋の持参も呼びかけられています。
辰年のご利益 京の龍めぐり
泉涌寺 舎利殿
~ 皇室の菩提所 仏牙舎利を祀るお堂の龍図 ~
とき: 1月6日(土)~3月18日(月) 10時~16時(受付終了)
※ 1月8日(月・祝)は拝観休止
料金: 900円(通常公開部分ふくむ)
京の冬の旅 6年ぶりの公開です。
舎利殿の狩野山雪筆の天井画「雲龍図」は「鳴き龍」として知られ、12年に一度の辰年や特別なときのみ公開されています。
ほかに土佐光文筆「源氏物語図屏風」などが公開され、禅宗様式の仏殿(重文)、楊貴妃観音をお祀りする観音堂にもお参りできます。
最寄り駅: JR 奈良線 東福寺駅 / 京阪 京阪本線 東福寺駅
泉涌寺 雲龍院
~ 「双龍」の襖絵が彩る皇室ゆかりの寺院 ~
とき: 1月6日(土)~3月18日(月) 10時~16時(受付終了)
※ 1月8日(月・祝)は拝観休止
本堂「龍華殿」(重文)にて、水墨画家の堂野夢酔筆襖絵「双龍風雷図」が特別公開されます。
書院では丸い「悟りの窓」と四角い「蓮華の間」の障子窓、台所にて険しい表情の「走る大黒天尊像」も拝観できます。
最寄り駅: JR 奈良線 東福寺駅 / 京阪 京阪本線 東福寺駅
相国寺 法堂・方丈
~ 「鳴き龍」天井画のある日本最古の法堂 ~
とき: 1月12日(金)~3月12日(火) 10時~16時(受付終了)
※ 1月15日(月)、2月15日(木)の拝観は12時~
京の冬の旅 6年ぶりの公開です。
慶長10(1605)年に豊臣秀頼の寄進で再建された法堂は、禅宗寺院の法堂として最古のものです。
狩野光信の筆による法堂の天井画の「幡龍図」は、その真下で手を叩くとまるで龍が鳴いているかのような反響音がすることから、「鳴き龍」とよばれます。
方丈にて原在中筆の「中国普陀落山図」や「琴棋書画図」などの障壁画、方丈庭園が公開されます。
最寄り駅: 地下鉄 烏丸線 今出川駅
大徳寺 法堂・仏殿
~ 戦国武将ゆかりの洛北の禅刹 探幽の「鳴き龍」 ~
とき: 1月12日(金)~3月12日(火) 10時~16時(受付終了)
※ 2月1日(木)、3月1日(金)・15日(金)の拝観は12時~
京の冬の旅 仏殿は初公開です。
仏殿には徳川四代将軍家綱が寄進したご本尊の釈迦如来坐像が安置されており、海北友松筆の雲龍の障壁画、狩野元信筆の「天人散華図」があります。
法堂(重文)の天井画の「雲龍図」は狩野探幽筆で、「鳴き龍」といわれます。
最寄り駅: 地下鉄 烏丸線 北大路駅
大徳寺 龍源院
~ 四つの庭を持つ洛北の苔寺 開祖堂の龍図公開 ~
とき: 1月12日(金)~3月12日(火) 10時~16時(受付終了)
京の冬の旅 初公開です。
室町時代の表門と方丈(重文)は、大徳寺最古の建物です。
昭和に入ってから建てられた開祖堂には、天井に井上石邨筆の龍図があります。
そのほか、期間中には曾我蛇足筆と伝わる龍の掛軸などの寺宝が公開されます。
最寄り駅: 地下鉄 烏丸線 北大路駅
紫式部と源氏物語
廬山寺
~ 『源氏物語』の作者紫式部の邸宅跡 ~
とき: 1月6日(土)~3月18日(月) 10時~16時(受付終了)
※ 2月1日(木)~9日(金)、3月3日(日)は拝観休止
京の冬の旅 37年ぶりの公開です。
もとは廬山寺は北山に創建されましたがしばしば焼失、移転を繰り返し、豊臣秀吉によって現在地に移転しました。
この地は紫式部が住んでいた場所で、『源氏物語』の世界を表現した「源氏庭」が作庭されています。
住吉派の絵師による「若紫」「絵合」の図や、与謝野晶子自筆の和歌集『源氏物語礼賛』が特別展示されます。
最寄り駅: 京阪 鴨東線 出町柳駅 / 叡電 叡山本線 出町柳駅
東本願寺 渉成園(枳殻邸) 園林堂
~ 光源氏のモデルとなった貴公子ゆかりの庭園と棟方志功の襖絵 ~
とき: 1月6日(土)~3月18日(月)
※ 3月1日(金)~3日(日)は拝観休止
1・2月 9時15分~15時(受付終了)
3月 9時15分~16時(受付終了)
料金: 500円
(別途渉成園の入園時に庭園維持寄付金500円以上が必要)
京の冬の旅 51年ぶりの公開・ 園林堂は初公開です。
光源氏のモデルといわれる源 融(みなもとの とおる)は、平安時代初期に嵯峨天皇の第12皇子として誕生しましたが、臣籍降下して嵯峨源氏融流の初代となりました。
風雅を好んだ貴公子で、京都六条に河原院という広大な邸宅を設け、陸奥国塩竈の景を移して難波江から運んだ潮水を焼き、立ち上る煙を楽しんだそうです。
江戸時代に入り、徳川三代将軍家光が東本願寺の宣如上人に河原院にかかる場所を寄進し、上人は隠居所として枳殻邸を建てました。その庭園が渉成園です。
持仏堂の園林堂が特別公開され、棟方志功の襖絵44面が公開されます。
最寄り駅: JR ・ 近鉄 京都線 ・ 地下鉄 烏丸線 京都駅 / 地下鉄 烏丸線 五条駅
襖絵、壁画、仏像、仏教建築・庭園に浸る
相国寺 光源院
~ 色彩豊かな十二支の襖絵と皇室ゆかりの寺院 ~
とき: 1月6日(土)~20日(土)、2月2日(金)~3月18日(月) 10時~16時(受付終了)
※ 1月21日(日)~2月1日(木)、3月3日(日)は拝観休止
京の冬の旅 初公開です。
相国寺境内にある塔頭寺院です。
室町幕府十三代将軍足利義輝の菩提寺で、「光源院」は義輝の院号です。
「十二支の庭」「十二支の図」を有し「干支の寺」とよばれています。
昭和63(1988)年に改修された本堂の仏間に水田慶泉筆の干支の襖絵があり、新たに令和3(2021)年に奉納された加藤晋筆の日本の昔話の襖絵とともに公開されます。
初公開となる行者堂には臨済宗の寺院としては珍しい、修験道の開祖の神変大菩薩(役行者)像、真言宗の開祖の弘法大師像、不動明王像などが安置されています。
最寄り駅: 地下鉄 烏丸線 今出川駅
相国寺 慈雲院
~ 伊藤若冲が師と仰いだ大典禅師ゆかりの寺 ~
とき: 1月6日(土)~3月18日(月) 10時~15時30分(受付終了)
京の冬の旅 初公開です。
大典禅師(梅荘顕常)は江戸時代に天明の大火(1866年)による被害から相国寺を復興させた高僧で、伊藤若冲の支援者でもありました。
足利義俊筆「松鶴図」、梅荘顕常頂相(肖像画)、室町時代の伝明兆筆「涅槃図」などの寺宝が特別公開されます。
最寄り駅: 地下鉄 烏丸線 鞍馬口駅
西本願寺 飛雲閣(外観)
~ 「京の三名閣」の一つに数えられる非対称(アシンメトリー)建築の美 ~
とき: 1月20日(土)~3月10日(日) 10時~16時(受付終了)
国の名勝庭園の滴翠園から国宝飛雲閣を望むことができます。
三層柿葺の飛雲閣の初層には招賢殿、八景の間、茶室「憶昔」、船入りの間などがあります。
二層に歌仙の間、三層に摘星楼があり、それぞれ屋根や窓の形が異なっていて軽やかな印象を与えています。
最寄り駅: JR ・ 近鉄 京都線 ・ 地下鉄 烏丸線 京都駅 / JR 嵯峨野線 梅小路京都西駅
仁和寺 金堂(裏堂)
~ 「五大明王」壁画 5年ぶり2度目の公開 ~
とき: 1月6日(土)~3月18日(月)
※ 2月2日(金)・3日(土)、14日(水)・15日(木)、29日(木)、3月1日(金)は拝観休止
1・2月 10時~15時30分(受付終了)
3月 10時~16時(受付終了)
料金: 1000円
京の冬の旅 裏堂は初公開です。
令和5(2023)年の秋、国宝金堂の須弥壇背面の裏にある五大明王(不動明王、金剛薬叉明王、降三世明王、軍荼利明王、大威徳明王)の壁画が5年ぶりに特別公開され、たいへん好評だったそうです。
年が改まり、再度公開されることになりました。
五大明王は江戸時代の絵師の木村徳応の作で、細部まで描写され色鮮やかに描かれています。
最寄り駅: 嵐電 北野線 御室仁和寺駅
東寺 五重塔
~ 京都の象徴(シンボル) 日本一高い五重塔 ~
とき: 1月6日(土)~3月18日(月) 8時30分~16時30分(受付終了)
京都のランドマークの東寺は、平安遷都に伴って王城鎮護のために建立された官寺です。
弘法大師空海が密教の根本道場として伽藍を整えました。
現在の国宝五重塔は、江戸時代に徳川三代将軍家光が再建しました。
和様で現存する五重塔ではもっとも高く、約56メートルあります。
鳥羽伏見の戦いのさいには西郷隆盛がここに登って、戦況を確認したといわれます。
最寄り駅: 近鉄 京都線 東寺駅 / JR 京都駅
醍醐寺 霊宝館
~ 密教美術一挙公開! 水晶の中で輝く阿弥陀如来像 ~
とき: 1月27日(土)~3月3日(日) 10時~15時30分(受付終了)
※ 2月23日(金・祝)は「五大力尊仁王会」のため拝観休止
京の冬の旅 14年ぶりの公開です。
醍醐寺霊宝館は、醍醐寺の所有する約10万点以上の寺宝を収蔵しています。
上醍醐薬師堂のご本尊の薬師三尊像(重文)、上醍醐五大堂の木造五大明王像(重文)も安置されています。
平成30(2018)年秋に初めて一般公開された「水晶宝龕入り木造阿弥陀如来立像」が公開されます。
蓮の形の透明な水晶の中に、高さ5.5センチの阿弥陀さまが絶妙なバランスで立っていらっしゃいます。
最寄り駅: 地下鉄 東西線 醍醐駅
僧侶がご案内する特別拝観
東本願寺 諸殿
~ 重文指定記念! 近世京都画壇の宝庫「お東さん」の非公開建築 ~
とき: 1月6日(土)~3月15日(金)の期間中の毎週金・土曜日
各日 9時30分~ 12時30分~ (所要時間 約60分)
※ 拝観可能日時は予約時にカレンダーにて確認してください。
料金: 2000円
東本願寺は「お東さん」と呼ばれます。
正式なお寺の名前は「真宗本廟」といい、宗祖親鸞聖人の御真影(ごしんねい)を安置する廟堂(現在の御影堂)と、本尊を安置する本堂(現在の阿弥陀堂)からなります。
今回は、通常非公開の諸殿のなかから令和5(2023)年9月に重要文化財に指定された大寝殿と白書院を、僧侶の案内で拝観することができます。
幕末の大火で堂宇のほとんどが焼失し、慶応3(1867)年再建の大寝殿が境内に現存する最古の建物です。
宗主と門徒が対面する場として使われます。
応接施設の白書院は明治44(1911)年再建。亀岡末吉設計による近代和風建築です。
予約は「僧侶が案内 東本願寺諸殿 58回冬の旅#04G 【完全予約制】僧侶が案内する特別拝観 東本願寺 諸殿」へ。
事前予約制で、1回の定員は40名程度です。
キャンセルや予約時間変更の処置は予約フォーム内で自身で行なってください。
最寄り駅: JR ・ 近鉄 京都線 ・ 地下鉄 烏丸線 京都駅 / 地下鉄 烏丸線 五条駅
西本願寺 書院・飛雲閣(外観)
~ 国宝・重文尽くし! 華麗なる桃山文化の粋 ~
とき: 1月20日(土)~3月3日(金)
各日 10時15分~ 15時~ (所要時間 約75分)
※ 拝観可能日時は予約時にカレンダーにて確認してください。
料金: 3000円
西本願寺は「お西さん」と呼ばれます。
正式なお寺の名前は「龍谷山本願寺」といい、宗祖親鸞聖人の末娘の覚信尼が建立した大谷廟堂が始まりです。
顕如上人は、豊臣秀吉から天正19(1591)年に京都六条堀川に寺地を与えられて大坂(石山)本願寺を移転させました。
地震や火難で伽藍の再建を繰り返し、ようやく宝暦10(1760)年に阿弥陀堂が再建されて現在の姿になりました。
今回は、書院造の代表的な建築物で絢爛豪華な襖絵や欄間彫刻、格天井がある書院(国宝)、現存最古の北能舞台(国宝)、白書院の東にある池泉式枯山水庭園の「虎渓の庭」(特別名勝)、そして飛雲閣(国宝)の外観と滴翠園(名勝)が拝観できます。
予約は「僧侶が案内 西本願寺書院・飛雲閣(外観)58回冬の旅#04F 【完全予約制】僧侶が案内する特別拝観 西本願寺 書院・飛雲閣(外観)」へ。
事前予約制で、1回定員50名程度です。
キャンセルや予約時間変更の処置は予約フォーム内で自身で行なってください。
最寄り駅: JR ・ 近鉄 京都線 ・ 地下鉄 烏丸線 京都駅 / JR 嵯峨野線 梅小路京都西駅
「ちょっと一服」 今年もあります。
実施期間: 1月6日(土)~3月18日(月)
「京の冬の旅」非公開文化財特別公開全15箇所のうち、3箇所を拝観してスタンプを集めると、所定の場所で「ちょっと一服」お茶とお菓子などの特典があります。
スタンプ用紙はJR京都駅ビル2階の「京都総合観光案内所〈京なび〉」、もしくは各公開箇所の受付で入手できます。
拝観料を支払ったときにスタンプを押してもらえます。
3つ集めて、お好きな接待箇所でゆったりしてください。