2014年秋 第50回京都非公開文化財特別公開
京都古文化保存協会から、「第50回京都非公開文化財特別公開」について発表されています。
期間は平成26年10月31日(金)から11月9日(日)まで。
ただし、開催日時など社寺によって違いますので、京都古文化保存協会のサイトで確認してください。
昭和40年に始まった「京都非公開文化財特別公開」は、今年が50回の節目の年にあたります。
また、今年は「古都京都の文化財」が世界遺産登録されてから20周年となります。
これを記念して、今回は世界遺産登録の7か所を含む17か所が公開されます。
特別公開される世界遺産登録の7か所
- 上賀茂神社
- 重文の高倉殿にて、上賀茂神社文書(重文)と御遷宮および葵祭に関する文書の公開(予定)
- 下鴨神社
- 三井神社(重文)と大炊殿(重文)
本殿は修理中なので、公開されるかどうかは未定です。 - 鹿苑寺(金閣寺)
- 方丈、鳳凰像(初代)、陸舟の松
初代鳳凰像は創建当時のもので、昭和25年(1950年)の火難を免れました。 - 西本願寺 飛雲閣
- 飛雲閣(国宝)、滴翠園(名勝)、旧仏飯所(初公開)
- 西本願寺 書院・経蔵
- 浪之間(重文)、太鼓之間(重文)いずれも初公開、経蔵(重文)
- 東寺 灌頂院
- 灌頂院(重文)、両界曼荼羅図(元禄本)金剛界・胎蔵界(重文)が初公開
- 東寺 五重塔
- 五重塔(国宝)の初層の内陣
宇治市にある萬福寺
今回は、宇治市の萬福寺と京田辺市の酬恩庵(一休寺)も初公開です。
萬福寺は、日本に3つある禅宗のうちの1つ、黄檗宗の本山です。
江戸時代に、中国の隠元隆琦禅師が招聘にこたえて来日、将軍徳川家綱に拝謁後に宇治に寺域を賜わって開創しました。
隠元禅師は日本にインゲン豆、孟宗竹、すいか、れんこん、木魚などをもたらし、中国の精進料理「普茶料理」を広めました。
今回公開されるのは、三門(重文)と松隠堂(重文)です。
また、山内にある宝蔵院の「鉄眼一切経(重文)」も公開されます。
宝蔵院は隠元禅師の弟子の鉄眼禅師が、お経の印刷所として開いたお寺です。
この「鉄眼一切経」が、現在使われている「明朝体」や「原稿用紙」の元になっているといわれています。
京田辺市にある酬恩庵(一休寺)
酬恩庵(一休寺)は、「一休さん」の一休宗純禅師が晩年を過ごして示寂したお寺です。
一休禅師は81歳のときに京都市の大徳寺の住職になって、応仁の乱後の復興に携わっていますが、この酬恩庵から通っていたそうです(今は電車とバスで1時間ほどで到着しますが、その当時は馬? 駕籠?)。
今回公開されるのは、一休禅師が応仁の乱のために東山から移築したという茶室造りの「虎丘庵」。
その周囲にある「虎丘庭園」(名勝)は、大徳寺真珠庵の七五三庭園と同一手法によるもので、村田珠光の作と伝わっています。
浴室(重文)は前田家から移築されたものです。
境内にある一休禅師の墓所(宗純王廟)は、宮内庁が御陵墓として管理しているため菊のご紋が扉に付いています。
また「宗純王廟」の近くにある「三本杉」は一休禅師、蓮如上人、蜷川新衛門の3人による手植えの松ですが枯れてしまい、現在は2代目です。