奈良 社寺の行事と特別拝観 2023年7月
奈良県内の社寺で行われる、2023年7月の行事・法要などをまとめました。
各社寺の公式サイトと「奈良市観光協会サイト」「奈良県観光[公式サイト] あをによし なら旅ネット」からの情報です。
奈良市
東大寺 俊乗忌
とき: 7月5日(水) 11時頃~16時
1180年の平重衡の軍勢の南都の焼き討ちにより、東大寺も大仏殿が焼け落ち、大仏さまも損傷しました。
造東大寺大勧進職となった俊乗房重源上人が諸国を勧進して寄進を集め、当時の最先端技術により大仏殿と南大門を再建しました。
8時からの法要後、俊乗堂に安置されている重源上人坐像(国宝)、快慶作の「釘打の弥陀」こと阿弥陀如来立像(重文)、愛染明王像(重文)が特別ご開扉されます。
最寄り駅: 近鉄 奈良線 近鉄奈良駅
興福寺 弁財天供
とき: 7月7日(金) 10時~
三重塔がご開扉され、八臂の弁財天坐像と十五童子にお参りできます。
弁天さまは、弘法大師空海が天河大辨財天社に参籠して南円堂が無事に竣工するよう祈願していたところ宇賀弁財天を感得し、窪弁才天として興福寺に勧請されました。
最寄り駅: 近鉄 奈良線 近鉄奈良駅
伝香寺 地蔵会(着せ替え法要)
とき: 7月23日(日) 16時~
「裸のお地蔵さん」こと春日地蔵菩薩立像が特別開扉され、衣が着せ替えられます。
興福寺の妙法尼が、母の菩提を弔うために1228年から始めた法要です。
今年も、一般の参拝者の堂内への入場人数が制限されます。
最寄り駅: 近鉄 奈良線 近鉄奈良駅
元興寺 かえる石供養
とき: 7月7日(金)
大阪城で、奇怪な力を持っていたために恐れられていた極楽がえる。
縁あって元興寺に来て、「無事かえる」「福かえる」衆生の願いを聞いてくれるかえるへと変貌しました。
かえる石の施餓鬼法要が行なわれます。
元興寺 肘塚不動尊供養
とき: 7月28日(金)
今は取り壊されてしまった、奈良肘塚町にあった不動堂の石造物を供養します。
最寄り駅: 近鉄 奈良線 近鉄奈良駅 / JR 万葉まほろば線(桜井線) 京終駅
帯解寺 帯解子安地蔵会式大法要
とき:
7月23日(日)
19時~ 岩田帯練り供養 長さ約30メートルの紅白の岩田帯を持った平安装束の一行が練り歩きます。
19時30分~ 理趣三昧大法要 本堂前にて聴聞可能
7月24日(月)
19時30分~ 理趣三昧大法要 本堂前にて聴聞可能
平安時代に、ご本尊の子安地蔵のおなかに巻き付けた帯を身に付けて子授けや安産を祈願した故事に因む法要です。
お練りののち、長さ約30メートルの紅白の岩田帯をお地蔵さまにお供えします。
最寄り駅: JR 万葉まほろば線(桜井線) 帯解駅
奈良・西ノ京ロータスロード 2023
とき: 開催中 8月16日(水)まで
拝観時間:
西大寺… 8時30分~16時30分
喜光寺… 9時~16時30分(7月中の土・日・祝は7時~)
唐招提寺… 8時30分~17時
薬師寺… 8時30分~17時
蓮の花が美しい4ヶ寺(西大寺・喜光寺・唐招提寺・薬師寺)を巡ります。
4ヶ寺共通拝観券(3000円)の購入者限定で、特別ご朱印が授与されます(納経料は別途)。
各お寺でツアーなどが企画されています。
今年の開催が10回目になることを記念して、共通拝観券にオリジナルグッズが付いています。
大和郡山市
矢田寺 アジサイ園開園
とき: 開園中 7月2日(日)までの予定
矢田寺のあじさいはご本尊のお地蔵さまが手に持つ丸い宝珠にちなんで、1965年頃から植え始められました。
5月中旬に咲き始めるツルアジサイから9月頃に咲く中国のあじさいまで、約60種1万株が植えられています。
- 近鉄 橿原線 大和郡山駅 または JR 大和路線 大和小泉駅から 奈良交通バス71、72系統乗車 「横山口」下車 徒歩
- 近鉄 橿原線 大和郡山駅から エヌシーバス20系統乗車 「矢田寺前」下車
松尾寺 舎人親王像・千手観音像トルソー 特別公開
とき: 公開中 12月25日(月)まで 9時~16時
天武天皇の勅命を受け、『日本書紀』の編纂の無事と自身の厄除けを祈願して松尾寺を建立した、舎人親王の坐像が特別公開されます。
合わせて、ご本尊の千手千眼観音像の裏から発見された「焼損仏」十一面千手観音像も拝観できます。
作家の白洲正子氏が、均整のとれたプロポーションから「トルソー」と賞しています。
松尾寺仏舎利堂ご本尊ストゥーパ 特別拝観
とき: 7月8日(土) 10時~12時
毎月8日のみの特別公開です。
紀元3世紀のストゥーパほかが公開されます。
近鉄 橿原線 大和郡山駅 または JR 大和路線 大和小泉駅から 奈良交通バス71、72系統乗車 「松尾寺口」下車
桜井市
大神神社摂社 綱越神社 例祭(おんぱら祭)
とき:
7月30日 16時~ 宵宮祭
7月31日 10時~ 例祭
大神神社の大鳥居の南側に鎮座する綱越神社には、延喜式神名帳に記載されている祓戸の神さまがお祀りされています。
例祭では茅の輪をくぐる「夏越しの祓」や、牽かれた神馬が境内を3周する「神馬引き」が行なわれ、夏を無病息災で過ごせるよう祈願します。
おんぱら祭奉納花火大会
とき: 7月31日 19時30分~ 芝運動公園周辺にて
例祭の締めくくりの奉納花火大会です。
最寄り駅: JR 万葉まほろば線(桜井線) 三輪駅
安倍文殊院 夏の寺宝展
とき: 開催中 8月31日(木)まで 9時~16時30分(受付終了)
金閣浮御堂(仲麻呂堂)霊宝館に安置されている、安倍仲麻呂公像、安倍晴明公像、ほか陰陽道に関する古文書などが公開されます。
夏の寺宝展では方位災難除けの十二天御尊軸のうち「閻魔天」「梵天」「日天」が展示されます。
期間中、夏の限定うさぎご朱印が授与されます。700円
最寄り駅: JR 万葉まほろば線(桜井線) 桜井駅 / 近鉄 大阪線 桜井駅
談山神社 談峯如意輪観音菩薩坐像特別公開
とき: 公開中 7月31日(月)まで 8時30分~16時30分(受付終了)
談山神社はもとは藤原鎌足の長男の定慧が建立した木造十三重塔(重文)に始まり、明治になるまでは多武峯妙楽寺という寺の一部でした。
観音さまは定慧が唐から持ち帰り、鎌倉時代に模作されました。
大火に遭ったおりに自ら歩いて出てこられたとの伝承があり、足腰の病の平癒にご利益があるといわれます。
10時30分~15時の間、観音堂の中に入って、より近くで観音さまにお参りできます。
ボランティアガイドさんの説明もあります。
最寄り駅: JR 万葉まほろば線(桜井線)・ 近鉄 大阪線 桜井駅 桜井駅南口から 桜井市コミュニティバス 多武峯線 乗車 終点下車
桜井市コミュニティバスの時刻表は桜井市公式サイトをご覧ください
長谷寺 本尊大観音特別拝観
とき: 公開中 7月9日(日)まで 9時30分~16時
「西国三十三所 草創1300年記念」による特別拝観です。
ふだんは入ることのできない国宝本堂の内陣に入り、ご本尊十一面観音菩薩立像のおみ足にじかに触れてご縁を結ぶことができます。
あわせて春季特別寺宝展が開催されています。
最寄り駅: 近鉄 大阪線 長谷寺駅
橿原市
おふさ観音 夏の風鈴まつり
とき: 7月1日(土)~8月31日(木) 7時~16時30分(閉門17時)
境内いっぱいに2500個以上の風鈴が吊り下げられます。
夏の厄除けにお参りする人に涼んでもらえるようにと、始められたお祭りです。
茶房おふさにて特別メニューの提供、境内にて改良メダカ約50種類が展示されます。
本堂では、安本亀八作「生き人形」などの公開と、20年ぶりに公開される「三千佛薬師如来掛軸」の特別拝観があります。
日本各地の風鈴の即売会も行なわれます。
夜まつり
とき: 7月17日(月・祝)・18日(火)、8月13日(日)・14日(月) 18時~21時
境内と風鈴が、ランプの明かりで照らされます。
この日のみ、19時から夏の厄払い・病封じのお加持を無料で受けられます。
最寄り駅: JR 桜井線 畝傍駅 / 近鉄 橿原線 八木西口駅
大和高田市
福田寺行者堂 蓮取り行事
とき: 7月7日 10時~
吉野の金峯山寺での「蓮華会」で蔵王権現にお供えする蓮を、大和高田市奥田の蓮池公園の弁天池で採集して運ぶ行事です。
奈良県指定無形民俗文化財に指定されています。
修験道の開祖の役行者の母の刀良売は、弁天池のほとりに住み、毎年蓮の花を楽しみにしていたそうです。
この行事では、刀良売に蓮の開花を奉告し、弁天神社の弁天さまに献納して大護摩供が行なわれます。
そして、行者は蓮の花を携えて金峯山寺に戻ります。
この日のみ、秘仏の役行者像、刀良売涅槃像、襖絵などが特別公開されます。8時~14時
最寄り駅: 近鉄 南大阪線 浮孔駅
宇陀市
室生寺 金堂外陣からの特別拝観
とき: 公開中 7月2日(日)まで 9時~15時(受付終了)
ふだんは入ることのできない金堂の外陣から、中尊の釈迦如来立像(国宝)、薬師如来立像(重文)、文殊菩薩立像(重文)、十二神将立像(重文)(子神・丑神・午神・申神・戌神・亥神)にお参りすることができます。
近鉄 大阪線 室生口大野駅から 奈良交通バス 43系統「室生寺行き」 終点下車
御所市
鴨都波神社 夏祭(ススキ提灯献灯行事)
とき: 7月16日(日)
氏子地域から奉納されたススキ提灯(高さ約4.5メートルの竹の支柱に横木を4本連結し、高張提灯を上から2・4・4の合計10張を三段に組み立てたもの)が、鴨都波神社に奉納されます。
ススキ提灯献灯行事は夏祭と秋祭で行なわれ、それぞれ奉納の順路が異なります。
奈良県無形民俗文化財に指定されています。
最寄り駅: JR 和歌山線 御所駅 / 近鉄 御所線 近鉄御所駅
金剛山転法輪寺 れんげ大祭
とき: 7月7日(金) 12時~
開祖の役行者の命日に、蓮の花をお供えし、一年間の自身の成長を披露して遺徳に感謝する法要です。
柴燈大護摩ののち、火渡り修行に参列することができます。
京都の醍醐寺三宝院門跡による花供入峰修行も行なわれます。
詳細や問い合わせは醍醐寺寺務所まで。
- 南海 高野線 河内長野駅から 南海バス 小深線8、11系統「金剛山ロープウェイ前行き」 終点下車
- 近鉄 長野線 富田林駅から 金剛バス 千早線「千早ロープウェイ前行き」 終点下車
金剛山ロープウェイ千早駅から山頂へ
葛木坐火雷神社 夏越祭
とき: 7月17日(月・祝)
長い竿に12振の提灯を下げた十二振提灯を掲げ持ち、伊勢音頭を歌いながら神社にお参りする神事です。
10月の秋祭にも奉納されます。
「かつらぎ太鼓保存会」による奉納演奏も行なわれます。
最寄り駅: 近鉄 御所線 忍海駅
高取町
壷阪寺 壷阪観音お身拭い特別結縁参拝
とき: 公開中 7月2日(日)まで 8時30分~16時30分(受付終了)
ご本尊の十一面千手観音菩薩坐像のお膝に手を触れて、結縁することができます。
壷坂観音さまは「眼の仏さま」と信仰を集めています。
古くは、元正天皇が内親王であった時代に壷阪寺に詣でて眼病治癒を祈願したと伝わります。
壷阪寺 二大塔(三重塔・多宝塔)初層同時開扉
とき: 公開中 7月2日(日)まで 8時30分~16時30分(受付終了)
1497年(明応6年)に再建された三重塔(重文)と2002年(平成14年)に落慶された多宝塔の初層が、同時に開扉されます。
それぞれのご本尊の秘仏大日如来坐像を拝観することができます。
6月2日の大雨により多宝塔で雨漏りが発生したため、初層の公開と大日如来さまの特別拝観は3日以降停止になりました。
近鉄 吉野線 壺阪山駅から 奈良交通バス20系統「壷阪寺前行き」 終点下車
平群町
信貴山朝護孫子寺 毘沙門天王秘仏御開扉
とき: 7月1日(土)~9日(日) 9時~16時
毘沙門天王御出現大祭
とき: 7月3日(月) 3時~
聖徳太子が信貴山にて寅の年寅の日寅の刻に感得した、日本で最初の毘沙門天王に百味のお供えをし、徹夜詣りが行なわれます。
7月2日から各宿坊でお籠もりができます。要連絡
- 近鉄 生駒線 王寺駅 ・ 田原本線 新王寺駅 ・ JR 大和路線 王寺駅 王寺駅北口から 奈良交通バス 42・43系統「信貴山門行き」乗車 「信貴大橋」下車
- 近鉄 生駒線 信貴山下駅から 奈良交通バス 16・18・32・42・43系統「信貴山門行き」乗車 「信貴大橋」下車
- 近鉄 大阪線 河内山本駅から 信貴線 信貴山口駅乗り換え 西信貴ケーブル終点高安山駅から 近鉄バス 50系統「信貴山門行き」乗車 終点下車
元山上 千光寺 胡瓜加持
とき: 7月30日(月)
夏の土用の時期にきゅうりに病を封じて地中に埋め、腐らせることで病の根が断たれることを祈願します。
最寄り駅: 近鉄 生駒線 元山上口駅 徒歩50分
三郷町
龍田大社 風鎮大祭
とき: 7月2日(日) 10時30分~
4月の例大祭と対をなすお祭りです。
6月25日から7月1日まで、朝御饌祭(神前に朝食をお供えする)と夕御饌祭(神前に夕食をお供えする)が連日行なわれます。
7日めの7月2日が結願日で、風鎮大祭が斎行されます。
午後から神賑行事として居合や剣舞・太鼓・民謡などが奉納され、最後に「火のごちそう」である「風神花火」が奉納されます。(21時~22時頃)
最寄り駅: JR 大和路線 三郷駅
吉野町
金峯山寺 蓮華会・蛙飛び行事
とき: 7月7日(金)
12時30分~ 竹林院前から蛙太鼓台出発
16時 蔵王堂にて蓮華会・蛙飛び法要
17時 蔵王堂境内にて採灯大護摩供
蓮華会は、役行者が産湯をつかったと伝わる大和高田市の奥田の捨篠池(弁天池)の蓮の花を、蔵王権現に供える法要です。
蛙飛び法要は大青蛙に変わってしまった人間が、導師の受戒により無事に人間に戻るまでが演じられます。
近鉄 吉野線 吉野駅から ロープウェイ千本口駅乗車 吉野山駅下車
時刻表や運賃は「吉野大峯ケーブル自動車株式会社」のサイトをご覧ください。
天川村
天河大辨財天社 例大祭
とき:
7月16日(日) 宵宮祭
19時~ 神事にて神楽の奉奏、続いて「宵宮音霊奉納」
7月17日(月・祝) 例大祭本宮祭
10時~ 神事、本殿開扉、神楽奉奏
11時~ 聖護院門跡一行による柴燈大護摩厳修
12時 直会
13時 能の奉納
19時 神賑行事(奉納歌謡、江州音頭)
神事の参列は、7月10日までに電話で予約が必要です。
(6月25日にて締め切られました。)
(カジュアルな服装での参列は不可)
例大祭では4年ぶりに神賑行事が行なわれます。
- 近鉄 吉野線 下市口駅から 奈良交通バス7系統「中庵住行き」乗車 「天河大弁財天社」下車
- 下市口駅からタクシーで約40分
大和三大観音 あぢさゐ回廊
とき: 開催中 7月9日(日)まで
場所: 西国三十三所観音巡礼 第六番 壷阪寺・西国三十三所観音巡礼 第七番 岡寺・西国三十三所観音巡礼 第八番 長谷寺
好評につき今年も「あぢさゐ回廊」が開催されています。
今回も各お寺で趣向を凝らした荘厳が施され、あじさいをテーマにした限定切り絵ご朱印の授与(1000円)もあります。
観音さまと宝塔と新緑のご紹介……
■ 壷阪寺:
十一面千手観音さま 眼病に霊験あらたか
三重塔(重文) 1497年(明応6)に再建 ・
大仏さまのご宝前があじさいだらけです。
■ 岡寺:
如意輪観音さま 厄除け
三重宝塔 1986年(昭和61)に再建
「華の池」は天竺牡丹から紫陽花に変わり、
■ 長谷寺:
十一面観音さま 縁結びほか数多くのご利益あり
五重塔 1954年(昭和29)戦後日本に建立された最初の五重塔
境内の「嵐の坂」に、あじさいが300鉢並びます