令和2年度 春期京都非公開文化財特別公開
この記事の内容は2020年1月の開催発表時のものです。(2020年4月22日 記)
京都古文化保存協会から、令和2年度の春の非公開文化財特別公開の内容が発表されました。
期間は令和2(2020)年4月25日(土)~5月10日(日)です。
ただし、法要などで変更があったり、公開内容が未定の社寺がありますので、詳しくは京都古文化保存協会のサイトをご覧ください。
御代替わりに伴う門跡寺院の特別公開は、この春は3月18日までの「第54回 京の冬の旅 非公開文化財特別公開」で一段落のようです。
また、今回は毎年春と秋に独自で特別公開をされている寺院の参加が多いようです。
初公開・久しぶりの公開箇所
春の非公開文化財特別公開の初公開は2箇所、55年ぶりの公開が1ヶ寺あります。
長楽館
円山公園でひときわ目を引く端麗な洋館が、長楽館です。
明治42(1909)年、「煙草王」と呼ばれた実業家の村井吉兵衛が、国内外の賓客をもてなす迎賓館として建造した別荘です。
「長楽館」の名は伊藤博文が命名しました。
設計は宣教師として来日した、ジェームズ・マクドナルド・ガーディナー。京都におけるガーディナー設計の建築物は、平安女学院内に日本聖公会聖アグネス教会大聖堂が現存しています。
ふだんはカフェ、レストラン、ブティック、ウェディングに利用されています。
特別公開されるのは、洋館の3階の茶室「長楽庵」と、書院造りの「御成の間」です。
常照寺
寛永三名妓のひとり2代目吉野太夫が帰依し、「吉野門」と呼ばれる山門を寄進したことで有名なお寺です。
吉野太夫は38歳で他界し、灰屋紹益が嘆き悲しんで常照寺に墓を建立しました。
毎年4月第2日曜日に行なわれる「吉野太夫花供養」では、太夫道中、供茶法要などが行なわれます。
元和2(1616)年、本阿弥光悦が鷹峯に日乾を招いて開いた「鷹峯檀林」がはじめです。
公開されるのは、伝教大師作と伝わる秘仏の三面大黒天像、日蓮聖人感得の秘仏妙見大菩薩などです。
泉涌寺塔頭 戒光寺
毎年春と秋に内陣の特別公開をされているので、「京都非公開文化財特別公開」事業では55年ぶりになるのが意外です。
特別拝観できるのは、「丈六さん」ことご本尊の丈六釈迦如来立像(重文)、曇照忍律上人坐像(重文)などです。
戒光寺は後堀河天皇の勅願で、鎌倉時代中期の貞応2(1223)年に猪熊八条に創建されました。後水尾天皇の発願で、現在地に移転しました。
また、新撰組から離れて禁裏御陵衛士(高台寺党)を結成し、油小路の変で命を落とした伊東甲子太郎・藤堂平助・服部三郎兵衛・毛内監物の墓所があります。