第53回 京の冬の旅

京都・特別拝観

京都市観光協会が主催する、「第53回 京の冬の旅 非公開文化財特別公開 -秘められた京の美をたずねて-」。

今回のテーマは「京都に見る日本の絵画 ~近世から現代」です。

今年2019年の9月に、日本で初開催となるICOM(アイコム)KYOTO2019(国際博物館会議京都大会)が開かれます。

これを記念して、各寺院が所蔵しているふだんは非公開の文化財が公開されます。

なお、この時期は寒さが足の裏から突き刺さるので、厚めの靴下を用意されることをおすすめします。

「京都に見る日本の絵画 ~近世から現代」 開催要項

安土桃山時代に狩野永徳を筆頭として「日本絵画史上最大の画派」となった狩野派と、長谷川等伯の作品を中心に公開されます。

期間: 平成31(2019)年1月10日(木)~3月18日(月)

時間: 10時~16時30分 (16時受付終了)

期間、時間、公開寺宝は寺院によって異なりますので、京都市観光協会のサイトで最新の情報を確認してください。

公開寺院: 建仁寺 正伝永源院 建仁寺 霊源院 建仁寺 両足院 智積院 東福寺 光明宝殿
大徳寺本坊 相国寺 慈照院 本法寺 善想寺
妙心寺 天球院・妙心寺 麟祥院・妙心寺 龍泉菴 仁和寺 金堂・経蔵 轉法輪寺
東寺 五重塔

料金: 1カ所 600円

上京区

相国寺 慈照院
 ー 足利義政と桂宮の菩提所 朝鮮通信使ゆかりの寺 ー
公開期間: 1月10日(木)~3月18日(月)
公開時間: 10時~16時(受付終了)
拝観できる絵画: 狩野派筆「帝艦図屏風」
京の冬の旅5年ぶりの公開です。
応永12(1405)年の創建。
足利8代将軍義政と桂宮の菩提所です。
慈照院第7世仏性本源は、織田有楽斎や千 少庵、千 宗旦と親交がありました。
宗旦は慈照院の茶室を訪れては、茶の点前を披露しました。
その「宗旦好みの茶室」に、宗旦狐の伝説があります。
2017年、「朝鮮通信使に関する記録」がユネスコ世界遺産に登録された事を記念して、寺に伝わる朝鮮通信使書画も公開されます。
交通: 地下鉄 烏丸線 鞍馬口駅
本法寺
 ー 長谷川等伯生誕480年記念 芸術家たちの美の競演 ー
公開期間: 1月10日(木)~3月18日(月)
公開時間: 10時~16時(受付終了)
拝観できる絵画 長谷川等伯筆「日堯上人像」(重文)・「波龍図屏風」・「佛涅槃図」(重文・複製) 狩野山楽筆「唐獅子図屏風」ほか
展示替えあり:
狩野山楽筆「唐獅子図屏風」・長谷川等伯筆「妙法尼像」 1月10日(木)~2月10日(日)
長谷川等伯筆「波龍図屏風」 2月11日(月・祝)~3月18日(月)
長谷川等伯筆「日堯上人像」 2月11日(月・祝)~28日(木)
長谷川等伯筆「日通上人像」 3月1日(金)~18日(月)
長谷川等伯が名声を得るきっかけとなったお寺。
公開される「日堯上人像」は京都に上がった初期の作品で、「日通上人像」は晩年の作品です。
狩野山楽筆「唐獅子図屏風」も公開されます。
2月10日までの予定で、限定ご朱印「唐獅子図屏」が授与されます。
室町時代、久遠成院日親によって開かれたお寺です。
豊臣秀吉の聚楽第建設のために、現在地に移転しました。
そのさい、本阿弥光悦と父の光二が私財を提供して伽藍を整備しました。

中京区

善想寺
 ー 「身代わり地蔵」と800年前の上皇の石仏ー
公開期間: 1月10日(木)~3月18日(月)
公開時間: 10時~16時(受付終了)
毎週日曜日10時~13時は拝観休止
京の冬の旅初公開です。
平安後期の石仏阿弥陀如来像、伝教大師最澄が刻んだ地蔵菩薩にお参りできます。
お地蔵さまは別名「泥足地蔵尊」「汗出し地蔵尊」「身代わり地蔵尊」といいます。
善想寺は、天元の内裏火災のときには、円融天皇が一時皇居とした、四条後院があった場所にあります。
交通: 阪急 京都線 大宮駅 / 嵐電 本線 四条大宮駅

東山区

建仁寺 正伝永源院
 ー 狩野山楽生誕460年記念 山楽の障壁画で飾られた大名茶人の寺 ー
公開期間: 1月10日(木)~27日(日)、3月1日(金)~18日(月)
公開時間: 10時~16時(受付終了)
拝観できる絵画: 狩野山楽筆 金碧障壁画「蓮鷺図」・「織田有楽斎画像」・「鍾馗図」 細川護熙氏筆の障壁画 「架鷹図」(南宋時代)など
展示替えあり: 狩野山楽筆「織田有楽斎画像」 1月10日(木)~27日(日)
狩野山楽筆「鍾馗図」 3月1日(金)~18日(月)
京の冬の旅5年ぶりの公開です。
織田信長の弟で大名茶人の織田有楽斎と、熊本藩主細川家の菩提所です。
有楽斎は建仁寺塔頭の正伝院を復興して、茶室「如庵」を営み、晩年を過ごしました。
交通: 京阪 京阪本線 祇園四条駅
建仁寺塔頭 霊源院
 ー 今川義元生誕500年記念 一休禅師や今川義元も修行した五山文学の寺 ー
公開期間: 1月10日(木)~3月18日(月)
公開時間: 10時~16時(受付終了)
拝観できる絵画: 狩野山楽筆「布袋像」(初公開)
そのほか: 今川義元・織田信長・千利休・細川幽斎らの書状、中巌円月坐像(重文)、その胎内仏の湛慶作毘沙門天立像など
五山文学の最高峰寺院、いわゆる「建仁寺の学問面」の中核にあったお寺です。
幼い頃の一休宗純に漢詩を教えた慕哲龍攀は、霊源院の僧侶です。
4歳で仏門に入った今川義元は霊源院で得度し、栴岳承芳と名乗りました。
交通: 京阪 京阪本線 祇園四条駅
建仁寺塔頭 両足院
 ー 長谷川等伯生誕480年記念 道釈画家の方丈障壁画と若冲&等伯 ー
公開期間: 1月10日(木)~3月18日(月)
公開時間: 10時~16時(受付終了)
所在地: 東山区
拝観できる絵画: 長谷川等伯筆「竹林七賢図屏風」・「水辺童子図」 伊藤若冲筆「雪梅雄鶏図」 七類堂天谿氏筆 方丈障壁画(完成初公開) 如拙筆「三教図」 「しろき観音像」(初公開)
そのほか: 
展示替えあり: 如拙筆「三教図」 1月10日(木)~31日(木)
伊藤若冲筆「雪梅雄鶏図」 2月1日(金)~25日(月)
しろき観音像 2月26日(火)~3月18日(月)
京の冬の旅5年ぶりの公開です。
「竹林七賢図屏風」「水辺童子図」は長谷川等伯晩年の作品です。
伊藤若冲筆「雪梅雄鶏図」も公開されます。
平成26(2014)年、開山栄西禅師800年御遠忌を記念して、道釈画家の七類堂天谿画伯による方丈の襖絵プロジェクトが進行してきました。
今回初のお披露目となります。
襖絵完成を記念して、七類堂画伯自筆のご朱印お守りが授与されます。
交通: 京阪 京阪本線 祇園四条駅
智積院
 ー 長谷川等伯生誕480年記念 桃山時代の絵師と京都画壇の巨匠 華麗なる障壁画 ー
公開期間: 1月10日(木)~2月28日(木)
公開時間: 10時~16時(受付終了)
拝観できる絵画: 長谷川久蔵筆 障壁画「桜図」(国宝) 長谷川等伯筆 障壁画「楓図」(国宝)・「十六羅漢図屏風」 「一の谷合戦図屏風」(重美) 堂本印象筆 障壁画「婦女喫茶図」・「松桜柳の図」
そのほか: 宸殿特別公開
「桜図」を描き上げた長谷川等伯の長男の久蔵は、その翌年に夭折してしまいます。
「楓図」は息子を身罷った等伯の渾身の作品で、「日本障壁画の最高傑作」と称されています。
堂本印象の「婦女喫茶図」「松桜柳の図」は、ポップな襖絵です
智積院の前身は根来山にありましたが、豊臣秀吉の紀州征伐を受けて焼失。
豊臣秀吉が鶴松の菩提を弔うために建立した、祥雲禅寺に移転しました。
交通: 京阪 京阪本線 七条駅
東福寺 光明宝殿
 ー 東福寺秘蔵の障壁画や貴重な仏像、一挙公開 ー
公開期間: 3月1日(金)~18日(月)
公開時間: 10時~16時(受付終了)
拝観できる絵画: 伝 渡辺了慶筆 金碧障壁画「柳松遊禽図」(重文)・「桜梅遊禽図」(重文)・「籬秋草図」(重文) 円山応挙 久保田米僊
そのほか: 三門に安置されていた「二天像」(重文)や、伝 運慶作の金剛力士像(重文)、万寿寺(白河上皇が六条内裏を寺に改めた六条御堂)の定朝様の阿弥陀如来坐像(重文)など
京の冬の旅30年ぶりの公開です。
渡辺了慶は狩野光信の門弟。
西本願寺の対面所(国宝)の障壁画・妙心寺退蔵院の襖絵も有名です。
東福寺は、奈良の東大寺と興福寺から一字ずつ取り、19年の歳月を経て建立された禅寺です。
広い境内は、秋の紅葉の美しいことで知られています。
交通: 京阪 京阪本線 鳥羽街道駅・東福寺駅/JR 奈良線 東福寺駅

北区

大徳寺本坊
 ー 洛北の禅刹 国宝方丈を飾る探幽の代表作 ー
公開期間: 1月10日(木)~3月18日(月)
なお、1月16日(水)~18日(金)・21日(月)
2月1日(金)・21日(木)
3月1日(金)・15日(金)は拝観休止
公開時間: 10時~16時(受付終了)
拝観できる絵画: 狩野探幽筆 障壁画「山水図」(重文)・「芦雁図」(重文)
狩野探幽は京都から江戸に拠点を移し、江戸幕府の御用絵師となって江戸狩野派の基礎を築きました。
京都では妙心寺の法堂の雲龍図、二条城、大覚寺、南禅寺、西本願寺などの障壁画、永観堂の「抜け雀」などを手がけています。
大徳寺は鎌倉時代の創建で一休宗純が再興。
豊臣秀吉が織田信長の法要を行なってから、諸大名が塔頭を建立しました。
交通: 地下鉄 烏丸線 北大路駅

右京区

妙心寺塔頭 龍泉菴
 ー 長谷川等伯生誕480年記念 雄大な自然美が描かれた四季の障壁画 ー
公開期間: 1月10日(木)~3月18日(月)
なお、1月27日(日)11時~12時、2月28日(木)、3月1日(金)は拝観休止
公開時間: 10時~16時(受付終了)
拝観できる絵画: 狩野探幽筆「観音・龍虎図」 谷文晁筆「秋山出屋図」 長谷川等伯筆「枯木猿猴図」(重文・複製) 長沢蘆雪 松村景文 由里本 出氏筆障壁画「種々東漸図」・「昇龍図」ほか
展示替えあり
京の冬の旅5年ぶりの公開です。
長谷川等伯筆「枯木猿猴図」は、「腕切りの猿」の異名を持つ水墨画です。
加賀藩主の前田利長遺愛の屏風画で、夜な夜な絵から手が伸びて利長の曲げを掴み睡眠妨害をするので、利長が腕をつかんで切り落としたという逸話があります。
平成11(1999)年の、開祖景川宗隆(本如実性)禅師500年御遠忌を記念して、由里本 出(ゆりもと いづる)画伯が手がけた100面に及ぶ障壁画「種々東漸図」や、方丈玄関にありダイナミックな「昇龍図」も公開されます。
交通: JR 嵯峨野線 花園駅/嵐電 北野線 妙心寺駅
妙心寺塔頭 麟祥院
 ー 海北友雪の龍図が残る春日局の菩提寺 ー
公開期間: 1月10日(木)~3月18日(月)
なお、1月20日(日)11時15分~12時15分
1月27日(日)10時45分~11時45分・13時45分~14時45分
2月10日(日)10時45分~11時45分
2月17日(日)13時45分~14時45分は拝観休止
公開時間: 10時~16時(受付終了)
拝観できる絵画: 海北友雪筆障壁画「雲龍図」・「瀟湘八景・西湖図」・「籬草花図」 「百椿図屏風」
京の冬の旅8年ぶり
寛永11(1634)年、徳川家光が春日局の菩提所として建立しました。
霊屋に安置されている春日局像は、小堀遠州作と伝わります。
交通: JR 嵯峨野線 花園駅/嵐電 北野線 妙心寺駅
妙心寺塔頭 天球院
 ー 狩野山楽生誕460年記念 京狩野 山楽・山雪の絢爛豪華な障壁画 ー
公開期間: 1月10日(木)~3月18日(月)
公開時間: 10時~16時(受付終了)
拝観できる絵画: 狩野山楽・山雪筆障壁画「竹虎図」・「梅に遊禽図」・「籬草花図」 狩野山楽・山雪筆水墨画
寛永8(1631)年、岡山藩主池田光政が、伯母の天球院のために建立しました。
狩野山楽・山雪父子により、方丈の襖絵56面、杉戸絵16枚など合わせて152面に、絵が描かれています。
本堂の東西廊下の天井は、伏見城遺構の血天井です。
公開にあわせて、ご朱印帳とクリアファイルが新調されました。
障壁画から「竹に虎図」「籬に草花図」「梅・柳に遊禽図」の3種あります。
交通: JR 嵯峨野線 花園駅/嵐電 北野線 妙心寺駅
仁和寺 金堂・経蔵
 ー 門跡寺院に残る宮殿建築と輪蔵 ー
公開期間: 1月10日(木)~3月18日(月)
なお、2月2日(土)・3日(日)・14日(木)・15日(金)、3月3日(日)・4日(月)は経蔵のみの公開
ご本尊の阿弥陀三尊をお祀りする金堂(国宝)は、御所の紫宸殿を移築しました。
今回は、昨秋初公開された金堂の五大明王壁画の、公開はありません
経蔵には、天海版の「一切経」が納められています。
御殿の中の黒書院に、昭和6(1931)年に堂本印象が描いた襖絵があります。
仁和4(888)年、光孝天皇の勅願により宇多天皇が創建、剃髪して入寺し、以来代々皇子皇孫が住持した門跡寺院です。
交通: 嵐電 北野線 御室仁和寺駅
轉法輪寺
 ー 「御室大仏」と裸の阿弥陀如来像を祀る寺 ー
公開期間: 1月10日(木)~3月18日(月)
なお、1月20日(日)は拝観休止
1月27日(日)は11時~
2月24日(日)は13時~の公開
公開時間: 10時~16時(受付終了)
京の冬の旅初公開です。
ご本尊の阿弥陀如来坐像、釈迦大涅槃図、裸形阿弥陀如来立像など、本堂すべて拝観できます。
裸形阿弥陀如来立像は、「御室大仏」と称される阿弥陀さまの後ろに鎮座していらっしゃいます。
交通: 嵐電 北野線 御室仁和寺駅・妙心寺駅

南区

東寺 五重塔
 ー 京都の象徴(シンボル) 日本一高い五重塔 ー
公開期間: 1月10日(木)~3月18日(月)
公開時間: 10時~16時(受付終了)
拝観箇所: 五重塔(国宝)、金堂(国宝)、講堂(重文)
五重塔の内部は、密教の教えを極彩色の絵で表わされています。
現在の五重塔は江戸時代に再建された5代目です。
1月21日(月)は「初弘法」です。植木・骨董品・名産品・陶器などの店が並びます。
交通: 近鉄 京都線 東寺駅

今回もスタンプラリー実施

「ちょっと一服」付きスタンプラリーが、今回も実施されます。

計15カ所のうち3カ所を拝観してスタンプを集めると、指定のお好きな「接待箇所」でお茶とお菓子などの特典が受けられます。

スタンプ用紙は、各公開寺院と、JR京都駅ビル2階の京都総合観光案内所「京なび」に置かれています。

たとえば、右京区の仁和寺・妙心寺の諸塔頭・轉法輪寺はすべて歩いて廻れるところにありますから、花園会館「花ごころ」か御室会館「和食処 梵」で休憩を挟むのもいいですね。

2019年1月15日京都・特別拝観

Posted by 管理人めぶき