第50回記念 京の冬の旅
京都市観光協会が主催する「第50回記念 京の冬の旅 非公開文化財特別公開 -秘められた京の美をたずねて-」。
平成28年は臨済宗を開いた臨済義玄禅師の1150年遠諱にあたります。
そこで、第50回を迎える「京の冬の旅」では禅宗寺院を中心として公開されることになりました。
また「京の冬の旅 スタンプラリー」も同時開催。
今回公開される16ヶ所のうち3ヶ所を拝観してスタンプを集めると、指定のお店でのお茶とお菓子などの接待「ちょっと一服」の特典があります。
5ヶ所のスタンプを集めると、抽選で京都の伝統工芸品があたる「おおきにキャンペーン」に応募できます。
「第50回記念 京の冬の旅」期間は平成28年1月9日(土)から3月18日(金)まで。
時間は10時から16時(受付終了)。ただし、寺院によって異なります。
ここでは、臨済宗の寺院のみ紹介します。
- 南禅寺塔頭 天授庵
- 1月9日(土)から31日(日)まで
- 京の冬の旅、37年ぶりの公開です。
- 南禅寺の開山、無関普門禅師(大明国師)の菩提所です。
- 長谷川等伯晩年の傑作といわれる本堂の障壁画「禅宗祖師図」、「商山四皓図」などが公開されます。
- 庭園は池泉回遊式の「澄心庭」と、枯山水庭園の「淵黙庭」の2ヶ所です。
- 建仁寺 開山堂
- 建仁寺の開山、明庵栄西禅師(千光祖師)の菩提所です。
- 客殿の障壁画、加藤文麗筆の水墨画「龍虎図」、原在中筆「松鶴波図」「白梅群禽図」などが公開されます。
- 庭園に禅師手植えの菩提樹が残ります。
- 今回は、清水坂・五条坂の16人の陶工によって作られた「陶製十六羅漢像」も、客殿にて公開されます。
- 六道珍皇寺
- お盆の「精霊むかえ」や小野篁の「六道の辻」伝説で有名な六道珍皇寺は、臨済宗建仁寺派に属します。
- 今回は小野篁の像と彼が冥界と行き来したと伝わる「冥土通いの井戸」と「黄泉がえりの井戸」、閻魔大王像や、室町時代の地蔵菩薩坐像などが公開されます。
- ご本尊の薬師如来坐像(重文)は、伝教大師最澄作と伝わります。
- 東福寺 三門
- 1月13日(水)から31日(日)まで
- 東福寺の三門(国宝)は室町時代の建立、日本最古であり最大級です。
- 様式は大仏様・禅宗様・和様を組み合わせていて、楼上の柱や梁に画僧・明兆(兆殿司)らの宋・元風の彩色が施されています。
- 東福寺塔頭 即宗院
- 3月6日(日)・7日(月)は拝観休止です。
- 京の冬の旅、6年ぶりの公開です。
- もとは九条兼実の山荘「月輪殿」のあった場所で、「心」の字を形どった池の地割などにその面影が残ります。
- 江戸時代の観光ガイドブック「都林泉名勝図絵」にも紹介されています。
- 幕末にはここで西郷隆盛と勤王僧・月照が倒幕計画を練ったといわれます。
- 今回、薩摩の島津家から拝領した火鉢や重箱、西郷隆盛直筆の書なども公開されます。
- 大徳寺 本坊
- 1月9日(土)、16日(土)、21日(土)の公開は11時30分(受付終了)まで
1月25日(月)は13時30分(受付終了)まで
1月17日(日)と18日(月)は拝観休止です。 - 京の冬の旅、19年ぶりの公開です。
- 国宝の方丈には、開山の宗峰妙超禅師(大燈国師)像が安置されています。
- 障壁画(重文)は狩野探幽の代表作。
- 方丈の正面には聚楽第の遺構と伝わる唐門(国宝)があります。
- 小堀遠州作の庭園は江戸初期の枯山水庭園で特別名勝・史跡です。
- 大徳寺塔頭 芳春院
- 1月22日(金)・23日(土)は拝観休止です。
- 京の冬の旅、10年ぶりの公開です。
- 平成28年は、芳春院を建立した加賀藩主前田利家の正室まつの、400年遠諱にあたります。
- 呑湖閣(内部非公開)は利家の息男利長が、小堀遠州に建てさせたとされます。
金閣・銀閣・飛雲閣と並んで「京の四閣」のひとつに数えられます。 - 楼閣山水庭園内の飽雲池に架かる打月橋には、「打月」の文字の額が掛けられています。
- 相国寺 法堂・方丈
- 1月15日(金)と2月15日(月)の公開は11時30分から。
2月25日(木)から28日(日)は拝観休止です。 - 京の冬の旅、法堂は4年ぶり、方丈は10年ぶりの公開です。
- 徳川家康の命により再建された法堂(重文)は日本の法堂建築の最古のもので、開山の夢窓疎石(夢窓国師)像を安置します。
- 仏殿は焼失後、再建していないため、本堂としてここにご本尊釈迦如来像を安置しています。
- 天井の蟠龍図も再建時に狩野光信によって描かれたもので、「鳴き龍」と呼ばれます。
- 方丈も江戸時代に再建されました。
- 障壁画には原在中筆「中国普陀落山図」「琴棋書画図」、相国寺第115世維明周奎による「老梅図」などがあります。
- 相国寺塔頭 養源院
- 京の冬の旅、初公開です。
- 秘仏毘沙門天像は鎌倉時代の慶派仏師の作と考えられます。
- 長く存在が知られていなかったのですが、江戸時代、夢のお告げによって発見されたと伝わります。
- 近衛家の桜御所から移築された書院「相和亭」があります。
- 相国寺塔頭 長得院
- 京の冬の旅、初公開です。
- 足利5代将軍義量の菩提所です。
- 方丈の52面もの障壁画は、岸徳(岸連山)が単独で描いたもので代表作ともいえます。
- 相国寺山外塔頭 真如寺
- 京の冬の旅、初公開です。
- 鎌倉時代に、京都尼五山の筆頭の景愛寺の住持であった無着如大尼が建立、夢窓国師が入寺して発展させました。
- 客殿に原在中筆の襖絵「西湖図」「四季花卉図」「松に猿猴図」があります。
- 妙心寺塔頭 玉鳳院
- 1月11日(月・祝)、2月11日(木・祝)、3月11日(金)の公開は14時(受付終了)まで。
2月7日(日)の公開は12時から - 開基花園法皇が自らの離宮に建立した、妙心寺最古の寺院です。
- 室町時代の唐様建築である開山堂「微笑庵」(重文)に、妙心寺開山の関山慧玄禅師(無相大師)を祀ります。
- 方丈の障壁画は、狩野安信や狩野益信の筆と伝わる「麒麟図」「竜図」などがあります。
- 蓬莱式の枯山水庭園は国の史跡・名勝に指定されています。
- また豊臣秀吉の子、鶴松の霊屋もあります。
- 妙心寺塔頭 霊雲院
- 1月9日(土)の公開は13時30分(受付終了)まで。
1月10日(日)、17日(日)は終日拝観休止
2月14日(日)、3月13日(日)の公開は11時30分まで。 - 京の冬の旅、39年ぶりの公開です。
- 室町時代に建立された書院(重文)は、銀閣寺の東求堂(国宝)「同仁斎」とともに初期書院造りの遺構で、後奈良天皇が行幸したことから「御幸の間」と呼ばれます。
- 書院の前庭は10坪ほどの小さな枯山水庭園で、国の史跡・名勝に指定されています。
- 狩野元信の水墨画が多く残されています。
- 門の左側に、哲学者西田幾多郎の墓があります。
- 妙心寺塔頭 天球院
- 京の冬の旅、12年ぶりの公開です。
- 玄関のついた大型方丈形式の方丈は、江戸時代方丈建築の典型とされています。
- 方丈の障壁画の「竹虎図」「梅に遊禽図」「籬草花図」などは狩野山楽・山雪父子の代表作で、江戸時代の絢爛豪華な金碧画は禅寺には珍しいものです。
なお期間中の京都は極寒です。
靴を脱いでお寺に上がりますので、厚めの靴下を持参されることを強くおすすめします。
足の裏から痛いくらいに冷えますよ。