佐保路 観音めぐり その1
不退寺
秋の特別拝観「佐保路の三観音」として佐保路(平城宮の北東のあたり)の観音さまを本尊としている3ヵ寺を参拝してきました。
まず不退寺。
ここは平城(へいぜい)上皇の離宮「萱の御所」の跡で、息子の阿保(あぼ)親王とその息子の在原業平が、承和14年(847)に寺に改めたと伝わっています。
その際「不退転法輪寺」と称し、業平の彫った観音像を本尊としました。
南都十五大寺の一つと数えられていましたが、ほかの奈良の寺と同じく次第に衰退、火災にも遭い、現在残るのは本堂と多宝塔と南門のみになってしまいました。
リボン観音
本尊は聖観世音菩薩立像。
木彫の一木造で、白い箔の上にカラフルな彩色がなされていたようです。
宝冠帯が耳のあたりでリボン結びになっています。
よく見たらかわいらしいお顔で、色鮮やかだった頃はさぞかし美少女風だったろうと思われます(観音さまに性別はないけれど)。
内陣の観音さまの周りに、五大明王像が配されています。
深窓の令嬢を守るコワモテのSPといった感じです。
境内は萩が終わり紅葉もまだで、うら寂しい風情でした。