第53回京都非公開文化財特別公開
京都古文化保存協会から、「第53回京都非公開文化財特別公開」について発表されています。
期間は11月1日(水)から12日(日)までです。
ただし、開催日時などは場所によって違いますので、京都古文化保存協会のサイトで確認してください。
文化財保護強調週間(11月1日から11月7日まで)に協賛して、行なわれるそうです。
例年、この文言はなかったのですが……文化庁の京都移転が決まったからでしょうか??
京都府南部の参加寺院
今年の特色は、京都府南部の寺院の参加が多いことでしょう。
とくに木津川市、相楽郡精華町の初参加寺院が目を引きます。
木津川市では今秋も「京都府木津川市2017秋 社寺秘宝・秘仏特別開扉」が行なわれます。
常念寺
精華町の常念寺の創建は不明ですが、江戸時代に現在の堂宇が整いました。
公開される菩薩形立像(重文)は平安時代前期の作で、精華町でもっとも古い仏像です。
大智寺
大智寺は、木津川に架かる泉大橋が大水によって流され、残った部材で刻まれた文殊菩薩をお祀りするために建立されました。
精華町の常念寺と同じく、暴れ川と呼ばれたびたび氾濫した木津川を鎮めるために建立された社寺が、数多くあります。
西念寺
西念寺は、異国の僧も修行した山岳道場を、行基が薬師如来を本尊として寺に改めたのが始まりです。
江戸時代に浄土宗の寺となり、それまでのご本尊の薬師如来は薬師堂に安置されています。
今回、現在の本尊の阿弥陀如来坐像と合わせて公開されます。
現光寺
現光寺は、昨年の木津川市の「社寺秘宝・秘仏特別開扉」では、バスツアーでしかお参りできませんでした。
由緒は定かではありませんが、海住山寺とのつながりが深いようです。
公開される十一面観音坐像(重文)は、全国でも数少ない、座っている観音さまです。
海住山寺は今年も、京都非公開文化財特別公開事業に参加しています。
常念寺
木津川市の常念寺は、秋の木津川市の特別開扉には参加されておらず、京都非公開文化財特別公開事業において初公開のお寺です。
室町時代に、天台真盛宗の開祖真盛の弟子の盛憲が開いたと伝わります。
ほかの旧寺の仏像も安置されていて、平安時代前期の地蔵菩薩像や、十一面観音像などが公開されます。
八幡市・京田辺市の参加社寺
今年も八幡市の石清水八幡宮、正法寺、松花堂庭園・美術館と京田辺市の酬恩庵一休寺が公開されます。
松花堂庭園・美術館では10月28日(土)から12月10日(日)まで、「市制施行40周年記念・開館15周年 特別展 松花堂昭乗、書画のたのしみ-麗しき筆あと、愛らしき布袋-」が開催されます。
京都市内での初参加寺院
京都市内で初参加のお寺は、報土寺です。
平安時代の創建、応仁の乱で荒廃後、浄土宗の寺院として再興、江戸時代に西陣の現在地に移転しました。
本堂(重文)は、寛永6年(1629年)に建築されたもので、浄土宗本堂の典型例とされています。
今回、その本堂と、ほかの寺宝が公開されます。