内裏前栽合

和歌

今日9月30日は「中秋の名月」ですが、台風17号の接近・上陸により月見どころではありませんでした。台風により被害に遭われた方々にお見舞い申し上げます。

康保3(966)年8月15日に「内裏前栽合」が清涼殿の台盤所で行なわれました。主催は村上天皇。この4年前の応和2(962)年と、6年前の天徳4(960)年にも「内裏歌合」を主催しています。


「内裏前栽合」は、のちに晴儀の歌合の手本となった「天徳内裏歌合」ほど豪華なものではなく、勝ち負けもつけませんでした。

左方には州浜と花(おそらくオミナエシ)を描いた絵が掲げられ、右方には彫り物の州浜と造花が飾られました。
参加者は、名月と、花を歌に織り込み、天皇の千代の栄えを祈る歌を詠みました。

参加者は、「天徳内裏歌合」で左の講師を務めた源 延光と右の講師の源 博雅など、男性25名。
女性は村上天皇付きの女房が8名参加しました。「天徳内裏歌合」に念人として参加した右近命婦(百人一首歌人)、兵庫蔵人の名前が見えます。

村上天皇はこの翌年に崩御してしまいます。もしも長寿なら、歌合や女房歌人はもっと華やかに進化していたかもしれません。

2012年9月30日和歌

Posted by 管理人めぶき