素麺、2021年は「安値」
2月5日に、三輪そうめんの取引の卸値を神前占いで決める、大神神社の伝統神事「卜定祭」が行なわれました。
三輪はそうめんの発祥の地です。
大神神社の神主だった大神朝臣狭井久佐(さいくさ)の次男の穀主(たねぬし)が、飢饉と疫病に苦しむ人々を救いたいと三輪明神に祈願し、神さまのお告げのままに小麦を植えてそうめんを作ったのが始まりとされます。
お伊勢参りの途中に立ち寄った人たちがそうめんの製法を持ち帰り、地方によりさまざまなそうめんが生まれました。
卜定祭はまず、業界の発展の祈願から始まります。
次に神職が「高値」「中値」「安値」と書かれた紙玉約20枚の中から、麻の束が引き寄せられた紙をご神意として選び出します。
その結果、2017年以来4年ぶりに「安値」が選ばれ、標準銘柄の「誉」が1箱(18キロ)1万800円と決まりました。
今年は三輪素麺掛唄保存会による素麺作りの所作を表わす踊りの奉納は、中止になりました。
三輪の神さまは、飢饉と疫病に苦しむ人たちを救うためにそうめんの製法を授けられたといいます。
今こそ、安くしておいたからたくさん食べて乗り越えて欲しい、とのご神慮でしょう。