佐保路 観音めぐり その3
法華寺
法華寺の縁起については、前に書いた(「あひみる ごとく あかき くちびる」)ので省略します。
あいかわらず、よい観音さまです。
今日は以前よりも優しく感じました。
こちらの心の状態に合わせてくださるのでしょうか。
慈光殿に入る時、受付の方が菩提樹の落ち葉を下さいました。
葉の葉脈から実が付いています。
お釈迦さまが悟りを開いたインドの菩提樹とは、種類が違うそうです。
これまで気が付きませんでしたが、境内に幹が5股に分かれた大きな菩提樹がありました。
平城宮
法華寺を出て、平城宮跡を歩きました。
風が強く、黄砂が飛んでいるので、せっかくの好天なのに生駒山がかすんでいました。
その野原の右側に見えるこんもりとした森は平城天皇陵。
左側には第1次大極殿の復元工事の大きな建物があります。
大船に真楫しじ貫きこの我子を唐国へ遣る斎へ神たち
天平勝宝2年(750)遣唐大使となった藤原清河の無事を、藤原氏の氏神である春日明神に祈った光明皇后の歌です。
命がけで海を渡り先進国の唐の技術や思想を持ち帰った、あるいは帰国できなかった人たち(藤原清河も帰国できなかった)と、送り出す側の思いもすべて、このただ広い野原の下になってしまいました。